不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

il Tempio di Venere

2010-11-23 01:42:20 | アート・文化

ローマのコロッセオの向かいにある建物は
ローマ帝国時代の宗教建築物の中で
最大級のものといわれるヴィーナス宮殿は
これまで観光コースに含まれることはほとんどありませんでした。
二つのアプシスを持つこの神殿が一般公開となります。

フォロ・ロマーノ&パラティーノの丘からコロッセオに向かうと
唯一の出口となるVia Sacra
(ヴィア・サクラ/聖なる道)の終りにあり
そこからは頭上に10本の柱の列だけを見ることができます。

常に観光コースからは外され、
1935年5月21日にムッソリーニ同席で公開されたことを除いては
管轄部署が分かれていたことなどの理由で
常に閉鎖されてきました。

コロッセオの向かいにある大きな建造物で
Venerdi Santo (ヴェネルディ・サント/復活祭前の金曜日)の
夜に行われる
Via Crucis(ヴィア・クルチス)のときに練り歩く行列の
教皇の背中越しに見ることができます。
合計144本の高価な大理石柱で囲まれた
女神ヴィーナスと女神ローマをともに祭る神殿で
古代ローマで最も美しく大きな神殿として知られていました。
また大理石装飾製作技術においては
現在のプレハブ方式に繋がる技術が応用されているといわれます。

帝国内を偵察し、各地の建築物に影響を受けた
Imperatore Adriano(ローマ皇帝ハドリアヌス)の提案で
当時の有名建築家Apollodoro di Damasco
(アッポロドロ・ディ・ダマスコ)に命じたもの。
145メートル×100メートルの長方形で
神殿自体は高さ16メートルの
120本もしくは124本の白大理石柱で構成される
2重回廊で囲まれていました。
正面装飾の残骸から
幅は約48メートルほどであったと推測されています。
屋根はブロンズ葺きで、
7世紀にBasilica di Massenzio
(マッセンツィオ寺院)建立のために
柱と屋根の一部は取り外され再利用されています。

現在見ることができるヴィーナス宮殿は
307年の2度目の火事で損傷した部分の修復も含め
4世紀にMassenzio(マッセンツィオ)によって再建されたもので
ハドリアヌス帝によって提案された
2つの後陣を忠実に再現しています。

この神殿は2010年11月12日より
フォロ・ロマーノ見学コースの一部として訪問可能となっています。
(チケット売り場で入手可能な地図の15番に記載されています)