不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

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2011-11-01 18:07:14 | Tweet Log



Filippino Lippi e Sandro Botticelli

2011-11-01 00:04:00 | アート・文化
出生は色々スキャンダルまみれで
恵まれない幼少期を過ごしたかもしれない
Filippino Lippi(フィリッピーノ・リッピ)の
34年に亘る芸術活動の集大成ともいえる展覧会が
ローマのスクデリエ・クゥイリナーレで開催中です。

フィリッピーノ・リッピは1457年に
Filippo Lippi(フィリッポ・リッピ)と
Lucrezia Buti(ルクレツィア・ブーティ)との
当時にしてみれば非常識この上ない交際の末に産まれました。
1472年には父の愛弟子であったBotticelli(ボッティチェッリ)の
工房にはいって修行を積みます。
弟子として、共同制作者として、そしてやがてはライバルとして
ボッティチェッリの影響を強く受けながら制作を続け、
扁桃腺をこじらせて
芸術家としての最も輝かしい時期に47歳の若さで亡くなっています。
Filippino_lippi_madonna_con_il_bamb
彼のもっていた「現代性」は既に若い時期の作品から見受けられ
各建築物の精密さのなかに見られる表現は
同時代の他の作家にはない感覚でした。
父親譲りともいえる美しい聖母子像なども数多く、
彼が活躍した時代の社会背景を映す作品も多く見られます。

この機会にフィレンツェ
(ウフィツィ・アカデミア・パラティーナ)をはじめ
世界各地の主要美術館から、
そして貴重なプライベートコレクションからも数点出展されて
非常に贅沢な展示になっています。
滅多に一般公開されることのないCollezione Pllavicini
(パッラヴィチーニ・コレクション)から
ボッティチェッリのLa Derelittaも出展されています。
42_botticelli_la_derelitta
通称ラ・デレリッタと呼ばれる作品は
Mardocheo piange davanti alla porta del Palazzo Reale
「王宮の扉の前でなくモルデカイ」で1475年制作。

広い展示会場に、スペース的に余裕をもって作品が展示されているので
じっくり好きなだけ堪能することができ
各セクションごとに丁寧な説明書きもついていて
Scuderie del Quirinaleの展示は
いつ行っても素晴らしいのでお勧めです。

Filippino Lippi e Sandro Botticelli
nella Firenze del'400
会場:Scuderie del Quirinale
Via XXIV Maggio 16, Roma
会期: 2012年1月15日まで
開館時間:日曜日から木曜日 10:00ー20:00
     金曜日・土曜日 10:00ー22:30
入場料:10ユーロ 
インフォメーション:http://www.scuderiequirinale.it