不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Chiesa di San Niccolo a Cortona

2013-06-19 14:05:03 | アート・文化
フィレンツェの南、トスカーナとウンブリアの境界の
小高い丘の上にあるコルトーナ。
この小さな城壁都市の
ポッジョ地区(Rione Poggio)にあるのが
サン・ニッコロ教会(Chiesa di San Niccolo')。
シエナに輩出した聖ベルナルディーノが1440年に創設した
サン・ニッコロ信徒会(la Compagnia di San Niccol?)が
元となっている小さな教会です。
この信徒会は現在も活動を続けており、
互助・慈善活動や管轄モニュメントの保護活動などを
積極的に行っています。

糸杉に囲まれた長方形の前庭をもち、
教会は正面と正面向かって左側(山側)に
開廊が取り付けられています。
15世紀に建てられたロマネスク様式の教会で
16-17世紀に改装の手が加えられています。
この改装の時に木製の格天井と
ファサード裏の部分にオーケストラ席が取り付けられています。
おそらくそれと同時期に単身廊の教会の両側面に
それぞれ祭壇が設けられ
元々あった主祭壇も改修されています。
最終的に1950年代から改めて各所に手が加えられ、
補強工事が2005年に完了しています。

キリストの受難&十字架上での死を記念する
復活祭前の金曜日(Venerdi' Santo)には
この教会に保管されている十字架を背負うキリスト像や
その他の信仰の品々をもった行列が
コルトーナの街を練り歩きます。
その昔、この行列に持ち出されていた宗教画に
コルトーナ出身の画家
ルカ・シニョレッリ(Luca Signorelli)の作品があり、
現在、サン・ニッコロ教会の主祭壇画として飾られています。
この作品はその昔、聖なる金曜日(Venerdi' Santo)の行列に
持ち出されていたこともあり
その性質上、表裏の両面に異なるテーマの絵が描かれています。
表面は「キリスト降架
(la deposizione di Cristo nel sepolcro)」
裏面は「聖母子と聖ピエトロと聖パオロ
(la Madonna con Bambino fra i Santi Pietro e Paolo)」。
この作品は現在は主祭壇に固定されているため
持ち出されることはありませんが、
通常は表面だけを見るような形になっており、
電動で主祭壇画を開けて裏面も鑑賞できるようになっています。

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