不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Verso San Marino

2009-08-19 18:43:37 | 旅行記

我が家の周りはレンタカー屋の密集地帯。
なのでよりどりみどりなのですが
会員証持っているので
いつもMaggioreで借りてます。

今回も会員割引で
24時間キロ数制限なし乗り放題
プント、マーチクラスで78,00ユーロ。

海の気分じゃなく、緑の多いところに行きたかった私と
行ったことのない、交通の便の悪いところに行きたい友人。
いろいろ候補はありましたが、
サン・マリノ共和国に決定。

私が勘違いしていたせいで
私も友人もファンのTod'sのアウトレットにも
ついでに行っちゃおうという気分になっていたのですが
よぉく調べてみたら
Tod'sのファクトリーアウトレットは
サンマリノよりもアスコリ・ピチェーノに近くて
ちょっと両方は一日で走るにはきつそうということで
サンマリノ共和国だけに狙いを絞りました。

朝8:30車ピックアップ。
私はプント希望だったのに、マーチが出てきました。
まぁ、いいんです、なんでも。
紺色のMicra(イタリアではミクラと呼ばれるマーチ)。

朝のニュースでボローニャからアドリア海に抜ける
高速道路A14線はめちゃくちゃ混んでいますといっていたので
高速道路を使わずに一般道を走ることにしました。
そのほうが緑もいっぱいだし!

ということでTosco-Romagnoloのアペニン山脈越え。
のんびり80-100キロで山越え。
高速道路走っていたら窓しめてクーラーだったけれど
一般道なので窓全開で
自然の空気をたっぷり吸い込みました。
山の中を走るので緑の香りが充満してて気持ちよかったです。
山越えは思っていたより楽チンで
なんだけっこう近いじゃないかと思ったのですが、
山越えてからの平地走りが想像以上に長かったかな。
ともかくフィレンツェ出発から約4時間で到着。

サンマリノはもちろん国境警備もなく
イタリアの他の丘の上の街に入るのと同じように
誰に止められることもなくさらっと入国できます。

そろそろサンマリノというところに
突如として「自由の国へようこそ」という
しょぼくて見逃しそうな横断幕がかかってました。
そこから先が小さな独立国・サンマリノ共和国。
あまりにもさりげないので写真を撮る気にもならず
停車もせずにそのまま坂道を登っていくと、
左右に並ぶ家も、表示も
イタリアと特に違いがあるわけでもなく
「なんだぁ、つまらんなぁ」という気分になりかけます。

しかし、対向車や駐停車中の車の中に
サン・マリノナンバーの車を見つけて
「おおぉ、サン・マリノだぁ」と大喜び。短絡的。

友人は初めてとはいっても私は4回目。
でもこれまで電車とバスを乗り継いで行っていたので
車でアクセスしたのは初めてで
街に入るときの横断幕も初めて見ました。

駐車場はいくつもあることは事前に調べていたけれど、
一番下の駐車場からロープウェイに乗ると
眺めがよいとガイドブックには書いてあったので
一番手前の駐車場へ。
12:30でほぼ満車状態でちょっとへこたれそうになったものの
ぐるりと回ったら駐車スペース発見。

ということでドライバーもここから写真撮影開始。
まずはこれから乗るロープウェイの駅。

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15分に一本運行中。
往復で4,50ユーロ。
普通にユーロ使えるしね。

対向ロープウェイとすれ違うまで気づきませんでしたけど、
ロープウェイはかなりの速さで上ります。
眺めは確かにいいけど、あっという間なので堪能できません。

ということで丘の上。
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なんとなくこの景色には見覚えが…。
確かに来た記憶。

とにかくここは坂しかない街です。熱海よりひどい。
小さいし、バスもないので歩くしかないです。

見所は共和国庁舎、要塞としての3つの塔。
それだけ見たらとりあえず、
サンマリノに行ったと豪語しても大丈夫。
車好きには自動車博物館もあるし、
武器マニアには武器博物館もあります。
国立美術館にはグエルチーノやバトーニの絵画もあります。

共和国の庁舎。
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その下で護衛する衛兵さん。
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友人いわく「ヴァチカンの衛兵さんのほうがかっこいい」
まぁ、それは仕方ないでしょう。
制服のせいかもねぇ。
渋いけど、地味です。

ちゃんと時間見て行動しないので(時計持ってないし)
衛兵さんの交替見逃しました…。

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庁舎の天辺。
周りにアンテナが林立しているところもイタリアと同じ。

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一種のテーマパークにいる気分です。
なんかとても人工的な香りが街中に漂ってます。
お土産屋さんが狭い坂道の両脇にひたすら続きます。

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とりあえず高いところからアドリア海を臨む。
ちょっとかすんでて海がよく見えない…。

ということで、観光もろくにしないうちにランチ!


Villa San Michele a Fiesole

2009-08-18 07:24:00 | アート・文化

フィレンツェから約9キロの
鎌月型に横たわる丘の上にある隣町フィエゾレ。
このフィエゾレに向かう急勾配の坂道は
松の木と糸杉に囲まれて
フィレンツェからわずか20分で
トスカーナの丘陵を思い起こさせます。
この坂道の途中、林の陰に隠れるように佇むのが
Villa Doccia(ヴィッラ・ドッチャ)ともよばれる
Villa San Michele(ヴィッラ・サン・ミケーレ)で
現在は世界的に名を知られる高級ホテルとなっています。

樹齢の古い木々に囲まれたこの建物の部屋や庭園からは
丘に囲まれたレンガ色に輝くフィレンツェを眺めることができます。
現在このホテルの建物は国の重要文化財にも指定されており
その文化的価値の高さも認められています。

15世紀に遡るといわれる正面ファサードについては
古文書検証がされていないとはいえ
ミケランジェロの手によるものだという説も未だにいわれ、
たしかにルネッサンス建築の様式は
ミケランジェロの影響を感じないではありません。
またここからの美しい眺めがミケランジェロの
他の作品創造へ影響を与えたともいわれており
訪れる人の想像を掻き立てます。

もともとはDavanzati(ダヴァンツァーティ家)の
所有であった建物は
1486年から1808年までは
聖フランチェスコ会派の宗律を厳格に守る
Minori Osservanti(ミノーリ・オッセルヴァンティ)の
修道士が暮らす修道院として機能していました。
修道院だった当時の建築様式の詳細は
修道士坊の木製の
重厚な扉などに今でも垣間見ることができます。
また最後の晩餐がフレスコ画で描かれるかつての食堂は
現在はホテルのバールとして使われています。
各客室にも修道院だった頃を思わせるようなスタイルの
行李やアンティークな椅子などが
アクセントとして使われていたりします。

ヴィッラの内部を飾る1600年代のフレスコ画は修復され
その美しさは周辺の自然とあいまって
独特な空間を生み出しています。

古い文化価値を保存しつつ現代に再利用するという意味では
非常に深い意味を持つ建物だと思います。


Fortezza fatta alla natura

2009-08-17 19:28:42 | 旅行記

行き先も決めずに車を借りて
先々週の日曜日どこに行ったのかというと
自然の岩山が強固な要塞を作り出している
サン・マリノ共和国まで。

Dscf7552
個人的には4回目なのに、まるで初めてのような感覚。
はい、過去に訪れたときのことを
何も覚えてないってことです。
我ながらびっくりします、自分の記憶力に。

ということで写真の整理して
忘れないうちにそのうちアップの予定。


Troppo stretto

2009-08-16 14:58:40 | Billy,Layla e Ciccino

1年越しで梱包が解かれたBoseのスピーカー。
毎朝快調にお気に入りの楽曲を奏でてくれてます。

さて、このスピーカーが入っていた箱ですが、
中に新聞などの紙ゴミをいっぱいにつめて
紙ごみ収集の日に捨てようと思って
部屋の片隅に置いてあります。

猫の習性。

チッチーノがこの箱に入りたがるのですが
どう見ても規格外の大きさで窮屈。
まぁ本猫は頻繁にこの中に入ってはモゴモゴしており、
その巨体を押し込めるのに一番快適な体勢を
研究しているようです。

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因みにこの紙ごみの脇に置かれた
靴の箱はゴミではなく、
これまた買っただけで満足して
開けられていない私の大切な靴が入っている箱。
買ったまましばらく放置するのは私の悪い癖です。

研究の結果、これに落ち着いたらしいのですが、
どう見ても窮屈。
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見ているほうが暑苦しい。
でも本猫は大満足なようで、このまま昼寝しています。


Billy in Piazza Santa Maria Novella

2009-08-15 14:52:00 | Billy,Layla e Ciccino

イタリアは8月15日は
「聖母被昇天の日」でお休みです。
とはいっても今年のイタリアのカレンダーは並びが悪くて
土曜日にあたったので
この時期に休暇をとらなかった人にとっては
なんてことはない普通の週末です。
だってイタリアには振り替え休日なんてものはないので。

私も休暇をとらなかったので
一緒に休暇を計画していて、
14日にUsticaに出発した友人たちに恨まれながら
フィレンツェ残留です。

まぁ、疲れを取るためにという名目でよく寝ましたが、
ちょこちょこっと出かけたりもしてました。

ビリーもご飯を食べるようになり
ちょっと回復して自分でお散歩も歩くようになったので
12日に柵が外されて市民に開放された
改装されてきれいになったばかりの
お気に入りのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会広場まで
朝の散歩にゆっくり出かけてきました。

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シンメトリーに配置された芝生は
刈り上げられたばかりで青臭くてすごく気持ちいい!!

その芝生の上を昔のようには走り回らないとはいえ
ゆっくりだけどぐるぐる歩いて堪能しているビリーを見ていると
なんかとても幸せな気分です。