チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

ハチャトゥリアン来日公演(1963年)

2015-10-16 19:38:49 | 来日した作曲家

【2014年9月5日の記事に写真とハチャトゥリアンの挨拶文を追加しました。】

アラム・ハチャトゥリアン (Aram Khachaturian, 1903-1978)が1963年に来日し、自作だけによる演奏会が開かれました。

↑ 月刊誌『今日のソ連邦』1963年3月1日号より、東京文化会館のハチャトゥリアンとコーガン。1963年2月9日か。

下記は来日公演日程です。

【2月9日(土)東京文化会館】
ハチャトゥリアン指揮読売日本交響楽団
ヴァイオリン レオニード・コーガン(1924-1982)
(曲目)
交響曲第2番
ヴァイオリン協奏曲
「仮面舞踏会」よりノクターン
「ガイーヌ」よりバラの娘たちの踊り、山岳民族の踊り、ゴパーク、レズギンカ

【2月11日(月)名古屋】
ハチャトゥリアン指揮読売日本交響楽団+久保陽子(Vn.) ←兼岩好江さま、情報ありがとうございました!

【2月20日(水)厚生年金会館】
ハチャトゥリアン指揮読売日本交響楽団
ピアノ レフ・オボーリン(1907-1974)
(曲目)
交響曲第2番
ピアノ協奏曲
「スパルタクス」より数曲

【2月26日(火)京都】
ハチャトゥリアン指揮京都市交響楽団
ヴァイオリン コーガン

【2月27日(水)大阪フェスティバルホール】
ハチャトゥリアン指揮京都市交響楽団
ヴァイオリン コーガン

(「音楽の友」昭和38年2月号より)

コーガンとオボーリンはたまたま来日中だったということですが、豪華な顔合わせですね!

↑ コーガンの日本公演

 

おまけとして『今日のソ連邦』に掲載されていたハチャトゥリアンからのあいさつ文です。

「日本の友人のみなさんへ」

ふだん音楽のことばで聴衆と話しあっている音楽家たちは、聴衆とふつうの話しことばですこし話しあってみたいと思うことがしばしばあります。いま私は日本の聴衆のみなさんに直接話しかけることができません。というのは、私は日本語を知らないからです。そこで私は『今日のソ連邦』誌の紙面をかりることにしました。

私はここで、私の芸術の友レオニード・コーガン、レフ・オボーリンをも代表して申し上げます。まず私たちは、日本公演に私たちを招待してくださった諸団体――読売新聞、アートフレンド協会、「労音」に感謝したいと思います。それから私たちの聴衆にお礼申し上げたいと思います。かれらのために演奏することは、私たちの心からのよろこびです。日本の聴衆は音楽をじつにりっぱに理解し、感ずることができる聴衆です。日本人の高度に発達した美の感覚については、レオニード・コーガンとレフ・オボーリンはすでに知っていました。かれらは二度目の訪問でしたから。だが、私にとっては――これはこころよい発見でした。

世界のすべての芸術家とおなじく、私たちも新聞の批評や感想を注意ぶかく、いや、熱心に追っています。そして、これらの批評に私たちがよろこびを感じていることを申し上げたいと思います。それは私たちにたいして多くの賛辞がのべられていたからだけでなく、日本の批評家たちが深い音楽的な知識をもって、私たちの演奏を論じてくれていたからです。

私たちはしばしば日本の印象についてたずねられます。もちろん、私たちは十分に日本を見たり、理解する機会がなく、したがって私たちの印象もいくらか表面的にならざるをえません。しかし、私たちの見ることのできたもの、また親しくお会いすることのできた人たちからの印象では、はっきりとこう申し上げることができます――
「日本は、私たちの愛している音楽のように美しい」と。

アラム・ハチャトゥリアン