夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ハルク』

2003年12月09日 | 映画(は行)
『ハルク』(原題:Hulk)
監督:アン・リー
出演:エリック・バナ,ジェニファー・コネリー,ニック・ノルティ,
   サム・エリオット,ジョシュ・ルーカス他

遺伝科学者のブルース。
幼いころ両親と死に別れ、育ての親とともに暮らしている。
ある日、研究所で致死量のガンマ線を浴びるが、
なぜか傷ひとつ負うことなく助かる。
同じ科学者でブルースと交際していたベティは
以前から彼にどこか人とちがうところを感じていたため、
今回の事故の件で、いっそうその疑念を深める。

事故後、まだベッドの上にいたブルースのところへ、
研究所の清掃員が訪れる。
彼は実はブルースの父親で、自身も科学者だった。
二十数年前、遺伝の人体実験をしたかったが、
研究所の許可が下りなかっため、
自分と息子であるブルースのからだで実験を試みたと言うのだ。

真実を受け入れられないブルースは、父親に怒りの感情を向ける。
「その感情に気をつけろ」とささやく父。
やがて、怒りを抑えきれなくなったブルースは
緑色の巨人、超人ハルクへと変貌するのだった。

凄まじいパワーを持つハルクは周囲を破壊してまわる。
ハルクと化しているあいだに彼が心を許すのは愛するベティーにだけ。
ベティーの父は軍隊の上層部。
ハルクとその父親をこの世から抹殺するため、ベティーを利用しようとする。

1962年のアメリカン・コミックにはじめて登場し、
当初は主人公ではなかったのにあれよあれよというまに人気が出て、
いつのまにか単独のコミックに。
そのまま現在でも出版が続けられているというヒーローがハルクです。

アン・リーはいまやハリウッドのほうが活躍の場となった台湾出身の監督。
『アイス・ストーム』(1997)、『楽園をください』(1999)、
なぜか日本ではヒットしなかった『グリーン・デスティニー』(2000)などなど、
作品を発表するたびに話題になる人です。
『アイス・ストーム』のときはミニシアターだったのに、
でかい映画館で上映する監督になりました。
そう、まるでハルクのような人です。

ブルースのトラウマがクローズアップされ、父と息子の絆の描写は全然。
ニック・ノルティ演じる父親があまりにも自己中心的で、
息子に対する愛情はないんかい!と思ったり。
同じくダークなイメージのヒーローものなら、
『デアデビル』(2003)のほうがあっさりさっぱり楽しめるかもしれません。
ま、でも、いろいろ撮れる監督ですね。あっぱれ。

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