夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

〈めっちゃ番外編〉映画の名前のついたお店

2003年12月10日 | 映画(番外編:映画と食べ物・飲み物)
かねてから行きたいと思っていたお店がありました。
ジャン=ジャック・ベネックスの名作、
『ディーバ』(1981)を店名にしちゃったフランス料理屋さんです。
名前を聞いただけで行ってみたくなるっちゅうもんです。

そして、先日、やっと念願かなってその店へ。
大阪の天神橋筋商店街にあるのですが、まぁ、その場所のわかりにくさ!
笑ってしまうぐらいです。

平日は人でにぎわう商店街ですが、
本筋から少し離れたその通りは、日曜日は休業の店ばかり。
薄暗い通りを不安になりながらも進むと、らせん階段のある怪しげなビルが。
その2階に『DIVA』はあります。

足を踏み入れると意外や意外、店内には明るい日射しが入り込み、
赤と白のギンガムチェックのクロスを掛けたテーブルが。
そしてその可愛らしさにはまったく似合わない、愛想のない巨漢のシェフ。
このシェフが『DIVA』をこよなく愛しているのかと思うとそれがまた笑えます。
壁にはもちろん『DIVA』のポスター。
ちょっとしわの寄りかけたそのポスターがずっと大事にされてきたのがわかります。

お昼の料理はコースが3種類。
いちばん高い3,000円のコースを頼むと、
前菜、メイン、パン、デザートに、小ぶりのカラフェにたっぷり入ったワインがつきます。
2人で行ったので、それぞれ別の前菜とメインを頼みました。
前菜のアンキモのコンフィが絶品。
赤足エビとホタテのテリーヌもすばらしい。
メインには鹿と鴨を。
鹿肉はいままで食べたどこの鹿よりもおいしく、またボリュームもただならない。
デザートはチーズを選ぶこともできますが、
なめらかなことこのうえないカシスのジェラートや、外さっくり、中しっとりのガトーショコラなど、
4種類も盛られたお皿はやはり捨てがたし。

おそらくあの体つきから想像して、小さいものは作れないんじゃないかと思います。
パンだって切り方がでっかいし。
でも、味には繊細な部分もしっかりあって、
映画『DIVA』をかいま感じることができるのです。

近所のおっちゃんとおぼしき人が
ワインをあけながらチーズを召しあがっていたのがええ感じでした。
こんな店が近所にあったら、私も通いたいなぁ。

最近でもっとも幸せな「外でのお昼ごはん」に、
その日1日ほわ~んとした気分になれたのでした。
好きだなぁ、あのシェフ。

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