夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

オハイオ滞在記〈その10〉

2005年09月16日 | ほぼ非映画(旅行)
事件というには大袈裟ですが、
私にとってはアヒャアヒャな出来事に遭遇。

デトロイトへ向かう例のパタパタプロペラ機は
往路と同じくまたもや出発が遅れそうな雰囲気。
テレビのマイク・マイヤーズも見飽きたなぁと思っていたら、
別の国内線の搭乗を急かすアナウンスがありました。
「何たらさん、何番ゲートへお急ぎください」と
読みあげられた名前のなかに「チャック・ノリス」が。

チャック・ノリスといえば、
今からかれこれ30年以上前の全米空手選手権のチャンピオン。
空手スクールを開校するかたわら、
あのブルース・リーの『ドラゴンへの道』(1972)に出演。
めちゃ強い敵役を演じて有名になった人です。

その後、タイトルからしてB級な『地獄のヒーロー』(1984)が大ヒット。
これはめでたくもシリーズ化。
しかし、あくまでB級の域にとどまりつづける、
素晴らしきアクション・スターなのであります。

私はつい先日、『ドッジボール』(2004)で久々に彼を観たところ。
この作品ではアクション・スターとしての彼は何処へ、
ドッジボール選手権の審査員である、
チャック本人として出演してワラかしてくれます。

で、アナウンスを聞いたもんだから、
「チャ、チャック・ノリスってマジ?」とダンナと顔を見合わせました。
向かいに座っていた若夫婦も気づいた様子ですが、
「冗談でしょ」という感じでクスリと笑っています。

私たちもきっと冗談にちがいないと思い、
えらいマニアックな偽名やな、けど、飛行機に本名以外で搭乗できるのか?
などと、いろんなことを考えました。

数分後、ダンナがトイレへ行っている間のこと、
呼び出しのあった搭乗口へ誰かが走ってくるのが見えました。
航空会社の係員が“Are you Chuck Norris?”と大声で尋ね、
走ってきたおっちゃんは軽くうなずいとるじゃないですか。
帽子をかぶり、リュックを背負ったそのおっちゃんの横顔は
紛れもなくチャック・ノリス。ホ、ホンマもんや。

対向からダンナが戻ってくるのが見え、
私は思わずちっちゃい子みたいにソファの上に膝を折って座って身を乗り出し、
ダンナに向かって「チャ、チャック・ノリス!」と叫びました。
あまりに突然で、ダンナが「えっ?えっ?」と言ってる間に、
チャックは飛行機内へと消えてしまいました。

あぁ、興奮した。
けど、空港内で反応してたのは私だけって、
チャック、寂しすぎひん?

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