夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ジュピター』

2015年04月05日 | 映画(さ行)
『ジュピター』(原題:Jupiter Ascending)
監督:ラナ・ウォシャウスキー,アンディ・ウォシャウスキー
出演:チャニング・テイタム,ミラ・クニス,ショーン・ビーン,エディ・レッドメイン,
   ダグラス・ブース,タペンス・ミドルトン,ペ・ドゥナ,ジェームズ・ダーシー他

プロ野球シーズンが開幕すると、何かと忙しい。
ここ最近、日曜日は劇場で朝から映画を2本観ていましたが、
デーゲームを観ようと思ったら、2本観ると間に合わない。
前日に飲みすぎてしんどかったというのもありますが、
先週の日曜日はTOHOシネマズ梅田で1本だけ。

ずっと、ウォシャウスキー監督って兄弟だと思っていたのに、
実は姉弟だったのか、私の思い違いだったということで片付けていたら、
兄のローレンス・ウォシャウスキーはトランスジェンダーで、
性別適合手術を受けてラナ・ウォシャウスキーに。
で、兄弟から姉弟へと変わったのですね。
以前にもそれを知って驚いたはずなのに、忘れていてまたビックリ。

近未来の地球。
惑星をこよなく愛した父親によって“ジュピター”と名づけられた女性。
その父親は、ジュピターが母親のお腹の中にいる間に強盗に殺され、
生まれてくる子どもにそんな妙ちくりんな名前をつけるなんてと笑っていた母親も、
父親を偲んで、わが子の名を“ジュピター”としたのだ。

父親を亡くしてからの生活は苦しく、
母親とその一族は共同で暮らし、ハウスキーピングの仕事でなんとかやりくりしている。
毎日毎日、他人の豪邸のトイレを磨き、もうこんな人生は嫌だと思うジュピター。

ところが、そんなある日、ジュピターは突然命を狙われる。
間一髪のところで彼女を救ったのは、異星人のケイン。
地球上の人間にとって、宇宙に別の生命体が存在することなど想像もできないが、
宇宙にはほかにも多くの生命体がいるのだとケインは言う。
その宇宙最大の王族の王位継承を巡って争いが勃発。
王位継承権者である3名が、いずれもジュピターの拉致または殺害を目論んでいるらしい。

実は人間たちが知らないだけで、地球さえもその王族に支配されている状態。
ジュピターはなんと王族の女王と同じ遺伝子配列を持つ、女王の生まれ変わりと認められる存在。
ジュピターを抹殺して地球ごと自分のものにしようとする王位継承権者たち。
最強の戦士ケインの使命は、ジュピターを守ること。
話を聞かされたジュピターは、地球の危機に立ち上がるのだが……。

世間の評判はイマイチだそうですが、ウォシャウスキー姉弟の世界観、私は好きです。
『クラウド アトラス』(2012)が好きだった人は、これもそこそこ気に入るのではないかと。
良いひと悪いひとの第一印象のままに、謀略が飛び交います。
そこに特に捻りはなくて、ミラ・クニス演じるジュピターのお人好しぶりに
おいっ、そこ、もっと疑えよ!と言いたくなるほど。

その昔、友人と「ショーン・ビーンがシブい」談義に湧いたことがありました。
ケインを援護するスティンガーという役で登場する彼は相変わらずシブい。
『博士と彼女のセオリー』とはまるで異なる役で王位継承権者のひとり、
バレムを演じるエディ・レッドメインは堂々の悪役がピッタリ、ノッています。

宇宙も地球も日本もアメリカも、お役所仕事のイメージは同じなのか。
そんな描写が可笑しくて。

2Dで観ましたが、これは3Dで観るべきだったかと思います。
いずれにせよ、DVDで観るときっとツマラナイ。
これだけ映像が楽しく美しい作品は劇場で観なくちゃ。

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