夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『エイプリルフールズ』

2015年04月07日 | 映画(あ行)
『エイプリルフールズ』
監督:石川淳一
出演:戸田恵梨香,松坂桃李,ユースケ・サンタマリア,小澤征悦,菜々緒,
   寺島進,滝藤賢一,窪田正孝,矢野聖人,富司純子,里見浩太朗他

映画の封切りは金曜日か土曜日と決まっている今日このごろ、
これはタイトルに合わせてエイプリルフールに封切り。水曜日でした。
その翌々日の金曜日、ダンナが飲み会の日に、109シネマズ箕面にて。

10本観たら7本は泣いていると書いたことがあります。
そのときに比べると、映画を観て泣く割合はいくぶん減ったような気がするものの、
それでも5割以上の確率で大泣きはしなくとも涙ぐんでいます。

今年に入ってから観た作品にも泣かされたものは数多くありますが、
まさかこれがいちばん泣いた作品になるとは。その事実が可笑しい。

4月1日、エイプリルフール。
病院の清掃員・新田あゆみ(戸田恵梨香)は、天才ドクターの異名を取る牧野亘(松坂桃李)に電話、
「あなたの子どもを妊娠しています。認知してください。籍を入れてください」と告げる。
亘の態度は酷いもの。エイプリルフールの冗談でしょ。勝手にすればと電話を切る。

イタリアンレストランで亘が美人キャビンアテンダント(菜々緒)と食事中、乗り込むあゆみ。
それでも、イカレ女の戯言だと相手にしようとしない亘。
あゆみがふと持参したバッグの中を探ると、そこにはなぜか拳銃が。
やぶれかぶれでぶっ放すと、店内騒然。

フロアで起きることはすべて自分の責任だと言いきる接客係(ユースケ・サンタマリア)は、
ほかの客たちにあゆみの言うことを聞いて落ち着くようにと仕切る。
厨房に逃げ込んだ亘に、居合わせたオーナーシェフ(小澤征悦)がつぶやく。
あの拳銃はトカレフだから、弾は6発だなと。

ヤクザの若頭・宇田川勇司(寺島進)は舎弟(高橋努)に命じて、
学校帰りの小学生・江藤理香(浜辺美波)を拉致。
問題児の理香は、「身代金目的ならば、私の親は私のためにお金なんて払いません」と断言。
理香が万引きを繰り返しても、親は叱りもしないらしい。
中学を出たら「女なら誰にでもできること」をしてひとりで暮らすのだと言う。
そんな理香の態度に業を煮やした勇司は、理香を連れ回して説教する。
理香が連れ去られるところを見た同級生の通報により、理香の家には警察が。
仕上げられた犯人の似顔絵に理香の母親(山口紗弥加)は唖然とする。

リムジンタクシーの運転手(滝藤賢一)が乗せたのは、
高貴な雰囲気漂う夫婦(里見浩太朗富司純子)。
皇族らしきこの夫婦は、これまで経験できなかったことをしてみたいのだと、
運転手御用達のハンバーガーショップに連れて行ってほしいと言う。
仰せのとおりにその店へ連れて行ったところ、
店主(古田新太)も店員(木南晴夏)もガチガチに緊張。
たまたま店でいちばんマシな席に座っていた若者(窪田正孝矢野聖人)は、
宮様のために席を空けろと追い出されてしまう。

怪しい占い師の老婆(りりィ)のもとを訪ねた客(岡田将生)。
10万円払って除霊してもらうつもりだったちょうどそのとき、
刑事(高嶋政伸)が現れて、占い師をしょっぴいて行く。

いじめられて不登校になった野沢遥人(浦上晟周)は、
ネットで宇宙船を呼ぶ方法を知る。
いじめっこたちにきっちりオトシマエを付けると、
宇宙船に乗り込むために建物の屋上へ。
ところが、遥人が自殺するのだと思い込んだ同級生や教師が、
なんとか思いとどまらせようと集まってきて……。

主な登場人物はこんな感じ。
そのほか、何十年も行方不明になっていたとされる男に生瀬勝久
車上に落ちていたあり得ないもののせいでパンクに泣く女に小池栄子
千葉真一まで嬉しい嬉しい束の間の出演。

『鈴木先生』や『リーガルハイ』の人気脚本家・古沢良太による、
『キサラギ』(2007)以来となる映画のオリジナル脚本との触れ込みで、
どうせテレビドラマの延長みたいな映画でしょと思って観始めました。
最初はそうだったんですけど。そして最後まで観てもそうかもしれないんですけど。

いや~、笑いましたし、泣きました。
さすが、相当おもしろかった『キサラギ』の脚本家。
もともと、こういう関係なさそうな登場人物を無理くりでも繋げる作品が好きなもので。
これは「ほぉぉぉぉ」という繋がりがいっぱいあって楽しい。

誰に泣かされたって、まずは戸田恵梨香。
亘のことを女たらしの大嘘つきだと見抜いていたくせに、
どうしてあゆみのほうから亘に声をかけたのか。
それがあきらかになるシーンにボロ泣き。

そして、さらにボロボロに泣いてしまったのが、勇司と理香の別れのシーン。
寺島さん、やっぱりすごくいい役者です。

アート系映画ももちろんいいですが、
こんなシンプルに笑わされて泣かされて、ハッピーエンドの映画は気持ちいい。
デートムービーには最適かもしれません。
……と、ほぼいつもひとりで映画を観ている私が言うのもなんですけど。(^^;

その気になれば、たいていの現実は変えられる。

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