夜な夜なシネマ

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『料理人ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命』

2015年12月12日 | 映画(ら行)
『料理人ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命』(原題:Buscando a Gaston)
監督:パトリシア・ペレス

前述の『杉原千畝 スギハラチウネ』を観たあと、シネ・リーブル梅田へ。

新梅田シティでは11月20日からドイツ・クリスマスマーケット開催中
すでに観光名所と化しているこの地が、さらに混んでいます。
クリスマスマーケットでクイッとアルコールの1杯も飲んでから映画鑑賞したいところですが、
なにしろ前日の晩に祇園で日本酒を飲み過ぎています。
睡眠時間もじゅうぶんではないので、ここでアルコールを摂取してしまったら、
まちがいなく映画を観ている間に眠ってしまうのであきらめて。

『ステーキ・レボリューション』に惹かれたように、
料理の話と聞けば観に行かずにはいられません。

ガストン・アクリオ、ペルーを代表する料理人。
彼が経営するレストランは、世界のベストレストランの上位にランキング。
世界の美食貢献者に贈られる賞の受賞者でもあり、
もはやペルーだけの料理人ではなく、世界的に有名な料理人。

彼へのインタビューから始まります。
ペルー人にとって、料理は単に楽しみとか喜びを与えてくれるものではない。
料理は新しい国の象徴なんだよ。そうおっしゃいます。

ペルーの富裕な家庭で生まれ育ったアクリオさんは、
パリの名門料理学校ル・コルドン・ブルーに入学。
そのとき、それまでの人生でもっとも幸せを感じたそうです。
当然、正統派フレンチを勉強。ペルーに帰国後もフレンチを。

しかしふとこれはちがうのではと考えます。
料理を通じてペルーという国を、人を、世界中の人々に知ってもらえないだろうか。

そんな観点から彼がつくる料理は、ペルーに固執したものではありません。
バターの量をグッと減らして唐辛子を増やしてみよう。
ペルーの伝統的な料理にフレンチのテイストも添えて。そんな感じ。

農民が手間ひまかけて育てた穀物や野菜。漁師が苦労して獲ってきた魚。
だけど当人たちはほとんど利益を得ることがありません。
この環境も変えなければとアクリオさんは切に願って活動しています。

マスコミにも広く取り上げられ、どこへ行っても声をかけられるアクリオさん。
スーパーでおばちゃんに話しかけられて素っ気なくしたら泣かれた、
誰にもそんな態度は取るべきじゃなかったと反省しきりでしたが、
それは声をかける側がもうちょっと配慮してもいいのでは。
誰も彼もにいい顔をせざるを得なくなっているのが有名人のつらいところ。

料理で戦争は起きない。料理で世界中の人が融合できれば幸せ。
俄然ペルー料理が食べたくなります。

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