夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『4/猫 ねこぶんのよん』

2015年12月18日 | 映画(な行)
『4/猫 ねこぶんのよん』
監督:上田慎一郎,早坂亮輔,浅沼直也,中泉裕矢
出演:三浦誠己,木南晴夏,柴田杏花,長谷川朝晴,高橋奈々,
   山田キヌヲ,栞那,朝倉あき,山中崇,熊澤枝里子他

朝イチで『わたしはマララ』を観て、昼間はあっちこっちへ。
福島で晩ごはんを食べる前に、シネ・リーブル梅田で本作を。

4人の若手クリエイターによる短編オムニバス。
「一匹の猫が住みつく、とある駅を利用する市井の人々を描く」というテーマで競作。
犬よりも猫派の私ですが、このごろ犬がらみの作品ばかり公開され、
やっと猫が見られるということで足を運びました。

第1話(ねこぶんのいち)、「猫まんま」(監督:上田慎一郎)。
ラブラブカップルとして漫才コンビを組む笑太(三浦誠己)と美帆子(木南晴夏)。
人気上々、全国進出のチャンスが巡ってきたというのに、解散したいと美帆子が言う。
そんな折り、疎遠だった笑太の父親の訃報が届き……。

第2話(ねこぶんのに)、「ひかりと嘘のはなし」(監督:早坂亮輔)。
SF好きの女子中学生・ひかり(柴田杏花)は、ある日おもしろ半分に、
「私は未来から来たあなたの娘です」という嘘のメールを他人に送ってみる。
返信してきたのはネタに困っていた作家(長谷川朝晴)で、ひかりの嘘に乗ったふりをして……。

第3話(ねこぶんのさん)、「一円の神様」(監督:浅沼直也)。
スリで生計を立てる母親(山田キヌヲ)と幼い娘(栞那)。
いつか普通の暮らしができることを夢見て間借り生活。
行く先々でスリを繰り返し、顔が知られそうになるとまた次の土地へ。
貧窮のなかにも笑いが絶えず、母娘の絆は強まってゆくのだが……。

第4話(ねこぶんのよん)、「ホテル菜の花」(監督:中泉裕矢)。
秩父の山奥、まるで民宿のようなたたずまいのホテル。
ろくに客が来なくて休業中のこのホテルに女性客(熊澤枝里子)がやってくる。
オーナーの織田(山中崇)は困惑するが、ホテルに住み着いている男3人が大はりきり。
ワケありな様子の女性客もいつしか心がほぐれて……。

猫の映画だと思っていたけれど、猫はほとんど出てきません。(^^;
その辺をうろうろしているのがちらほら映る程度。
思ったよりも猫の出番少なく、寂しかったのは事実ですが、
こんなテーマで4人4様の作品を観ることができて満足。

個人的に好きだった順に挙げるなら、いち、に、よん、さん。

第1話の三浦誠己はどうしてこんなに完璧な関西弁を喋れるのかと思ったら、
和歌山出身だったのですね。
解散を決めたコンビの最後の漫才、泣かされました。

第2話は、もしかしてこのふたり……と想像を膨らませられるところが好きでした。
第3話は暗すぎて、救いがあるようなないような。
第4話はわりとありがちな話に思えますが、菜の花畑に癒やされて。

どれもそれぞれに良さがあり、監督たちのこれからの動きに注目したいです。

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