夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈ら行〉

2015年12月30日 | 映画(ら行)
《ら》
『ランナーランナー』(原題:Runner Runner)
2013年のアメリカ作品。
監督は『リンカーン弁護士』(2011)のブラッド・ファーマン。
プリンストン大学にかようリッチー(ジャスティン・ティンバーレイク)は、元は凄腕の株式ブローカー。
リーマンショックのせいで会社が倒産して職を失い、
名門大学で修士の資格を取って生かそうと入学したのだ。
学費を稼ぐためにギャンブルのサイトへと友人を誘導していたが、
学長からギャンブルは御法度、アフィリエイトも認めないと言われる。
仕方なく自らオンライン・ポーカーに参加するが、見事に大負け。
しかしその負けには納得が行かずに調べてみたところ、不正を見つける。
ポーカーのサイトのオーナーであるカジノ王・ブロック(ベン・アフレック)のもとへ乗り込むと、
意外にもすんなりとブロックはリッチーの抗議を受け入れ、
賭け金の返済と学費の全負担を申し出たうえ、リッチーを雇いたいと言う。
大学に戻るよりもこっち、そう考えたリッチーだったが、
ある日FBI捜査官のチェンバース(アンソニー・マッキー)に拉致され、協力を請われ……。
嘘が飛び交う頭脳戦のなか、リッチーの「してやったり」が小気味いい。
賄賂を受け取っておきながらしゃあしゃあと騙そうとするのがアメリカ人、
金を受け取ったからにはきっちり守るのがコロンビア人というのがなんだか面白い。

《り》
『リスボンに誘われて』(原題:Night Train to Lisbon)
2013年のドイツ/スイス/ポルトガル作品。
監督はデンマーク出身で『マンデラの名もなき看守』(2007)を撮ったビレ・アウグスト。
スイスの高校で古典文献学を教える教師ライムントは、5年前に離婚。
孤独で単調な毎日を送っていたある日、橋から飛び降りようとする女性を目撃。
間一髪のところを助けるが、女性はすぐに行方をくらませてしまう。
彼女が置き忘れていったコートのポケットに入っていた1冊の本。
そこに挟まれていたリスボン行きの切符を女性に届けようと駅へ向かう。
しかし女性の姿はなく、ライムントは衝動的にリスボン行きの夜行列車に飛び乗る。
車中で読んだその本に心を奪われるライムント。
リスボンに着くと著者アマデウの自宅を調べていきなり訪ねる。
アマデウは若くして亡くなったらしいが、
彼の妹アドリアーナは、まるでアマデウが生きているかのようにふるまう。
興味を惹かれたライムントは、生前のアマデウを知る人物を訪ね歩き、
独裁政権下のポルトガルで反体制運動に身をやつしたアマデウの人生を辿る。
主演のジェレミー・アイアンズは、『ダメージ』(1992)の頃のエロ親父からいい具合に脂が抜けています。
1冊の本から次第にあきらかになってゆく時代のできごとに目が釘付け。
劇場で観たかったと強く思う作品でした。

《る》
『ルパン三世』
2014年の日本作品。
言わずもがなの実写版ルパン三世
古代ローマの時代、アントニウスからクレオパトラに贈ったとされるジュエリー、
“クリムゾン・ハート”は、“光の首飾り”と“真紅のルビー”に分けられている。
所有者は別で、片方はルパンの相棒だった老盗賊ドーソン、
もう片方はアジアの闇社会を牛耳る悪党プラムック。
相手の秘宝を狙い合っていたドーソンとプラムックだったが、
プラムックが手下を使ってドーソンの暗殺に成功。
ドーソンの仇を討ち、なおかつプラムックのお宝を奪うと決めたルパンは……。
ルパンに小栗旬、次元に玉山鉄二、五ェ門に綾野剛、不二子に黒木メイサ
銭形警部に浅野忠信と、なかなかに魅力的なキャストではありますが、
最初と最後だけ観たら十分な展開。
しかも世界一美しいはずのクリムゾン・ハートのなんとチープなこと。
やっぱりルパンとはアニメでお会いしたいです。

《れ》
『レフト・ビハインド』(原題:Left Behind)
2013年のアメリカ作品。
レンタルする気はなかったのに、TSUYATA DISCASの予約リストにとりあえず載せていたら、
予期せずに届いてしまった1本。いやもう無茶苦茶で笑いました。
パイロットのレイ(ニコラス・ケイジ)は、聖書に没頭する妻に辟易し、
独身だと偽って客室乗務員と浮気を画策中。
久しぶりに帰郷した娘クローイは、そんな父親レイの思惑を知って絶望しつつも、
レイが操縦するロンドン行きの便をJFK空港で見送る。
ところが飛び立ってしばらく後、機内で多数の乗客が忽然と消える。
同じ現象が地上でも起きていて……。
神を信じる者全員が天国に召されたためにこの世から姿を消したというぶっ飛びの話。
レイの乗る飛行機は副操縦士も消えてしまい、管制塔とも連絡がつきません。
残った乗客や地上にいるクローイと協力して決死の着陸を試みます。
クローイが教会に行ってみると牧師だけが消えずにそこにいたというのがワラける。

《ろ》
『ロスト・フロア』(原題:Séptimo)
2013年のスペイン/アルゼンチン作品。
今年初めに開催された“未体験ゾーンの映画たち 2015”にて上映。
DVD化されてから知って、スペイン語圏の作品は外せずレンタル。
弁護士のセバスチャンは、元妻デリアが暮らすアパートへ。
ふたりの子どもであるルカとルナはデリアと生活しているが、
この日はセバスチャンが子どもたちと過ごす予定。
デリアが仕事に出かけたあと、セバスチャンたちも部屋を出る。
7階から1階まで、パパはエレベーターで、僕たちは階段で。
どっちが早いか競争しようとルカとルナが言う。
エレベーターに乗った自分の勝ちだと思ったら、
いつまで経っても子どもたちが姿を現さず……。
邦題からスパニッシュ・ホラーを想像していたら、普通のサスペンス。
誘拐騒動の主犯は実は元妻だったというオチ。
スリリングで楽しめましたが、オチがわかるシーンはあまりに淡泊。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする