夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ブレードランナー 2049』

2017年11月07日 | 映画(は行)
『ブレードランナー 2049』(原題:Blade Runner 2049)
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:ライアン・ゴズリング,ハリソン・フォード,アナ・デ・アルマス,シルヴィア・フークス,
    マッケンジー・デイヴィス,ロビン・ライト,デイヴ・バウティスタ,ジャレッド・レトー他

「映画の日」にダンナが飲み会。こんなチャンスは逃せません。
163分の大長編だから、シネマイレージを貯めるためにTOHOシネマズで観たいけれど、
伊丹や西宮ではちょうどいい時間の上映がないし、
どうせ改悪されたシネマイレージサービスだもの、TOHOシネマズでなくてもいいや。
で、職場からいちばん近い109シネマズ大阪エキスポシティへ。

説明するまでもない、リドリー・スコット監督の『ブレードランナー』(1982)。
いくら好きな映画であっても、繰り返して観ることは少ない私なのですが、
これは何度か観ています。タイトルを聞いただけでワクワク。
35年ぶりの続編ということで、ずいぶん前から宣伝されていたにもかかわらず、
ふたを開けてみればアメリカでは大コケとの噂。
しかし評価が低いわけではなく、前作を観た客層の興味しか惹けなかった模様。
前作に興奮した人なら、まずまちがいなく気に入るのでは。

前作の舞台設定は2019年。
本作はその30年後の2049年、さらに荒廃が進んだ地球。

労働力の確保を目的としてタイレル社に製造された人造人間“レプリカント”。
彼らがたびたび反乱を起こすせいで同社は倒産。
その後、同社を買収したウォレス社が改良を重ね、
人間に忠実なレプリカントのみが社会に溶け込んで暮らしている。
反乱分子となりそうな危険な旧型レプリカントは、
ロス市警の最新型レプリカント捜査官“ブレードランナー”によって追跡され、解任(殺害)される運命。

ある日、ブレードランナーのKは旧型レプリカントのサッパーを解任したさい、
サッパーの隠れ家の前に立つ大木の根元に埋められていた箱を発見。
その中には帝王切開手術を受けたと見られる女性レプリカントの遺骨が入っていた。
レプリカントが妊娠することはありえないし、あってはならないこと。
そのレプリカントの子どもを追跡して解任するように命じられたKは、
ただちに調査を開始するのだが……。

そもそも本作の監督ドゥニ・ヴィルヌーヴが大好きです。
この監督の作品なら無条件に好きと言っていいぐらい、最近のお気に入り。
だから本作も贔屓目たっぷり、全編が纏うこの雰囲気、なんとも言えません。

自分がその子どもかもしれないと思うKにライアン・ゴズリング
『ラ・ラ・ランド』で日本での知名度も飛躍的に上がった彼。
私は『ラ・ラ・ランド』の彼よりも断然こっちの彼が好き。

怖かったのはウォレス社の社長を演じるジャレッド・レトー。すっかりキワモノ俳優(笑)。
しかし今回それより怖かったのは、彼の秘書で女性レプリカント役のシルヴィア・フークス。
私はお初かなと思ったら、『鑑定士と顔のない依頼人』(2013)の謎の女性役だった人。
職務に忠実、敵と思えば血祭りに上げる秘書ラヴ役の彼女が強すぎ怖すぎ。
潜んで暮らすかつての主役ハリソン・フォードも相変わらず「情けない顔」で頑張っています。

人間に従って働いているのに、人間もどきと差別を受けたりもするK。
近未来の話であれ現代過去の話であれ、結局差別ってなくならないんだなぁ。

この監督の作品を観ると、必ず残る「切なさ」が好き。

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