夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『密偵』

2017年11月28日 | 映画(ま行)
『密偵』(英題:The Age of Shadows)
監督:キム・ジウン
出演:ソン・ガンホ,コン・ユ,ハン・ジミン,鶴見辰吾,オム・テグ,シン・ソンロク,
   ソ・ヨンジュ,チェ・ユファ,フォスター・バーデン,パク・ヒスン,イ・ビョンホン他

シネ・リーブル梅田で3本ハシゴの3本目。

『人生はシネマティック!』でちょっぴり寂しくもニッコリし、
『全員死刑』で気持ちが撃沈、そしてこれ。
タイプのちがう作品をハシゴする幸せ。しかも1本1,000円やし。

私がイ・ビョンホンを好きになったのは、恋愛ドラマではなく、
『悪魔を見た』(2010)を観たときです。
そのときまでどこがいいのかまったくわからなかったのですが、
『悪魔を見た』の衝撃と言ったら。
本作はその『悪魔を見た』の監督キム・ジウン。
そこにイ・ビョンホンはもちろんのこと、
ソン・ガンホコン・ユが出ているとなれば、鉄板でしょ。

1920年代、日本統治下の朝鮮半島。
朝鮮の独立を目指して過激な武力闘争を繰り広げる武装組織「義烈団」を殲滅しようと、
日本の警察は躍起になっている。

朝鮮人でありながら日本の警察に所属するイ・ジョンチュル(ソン・ガンホ)は、
上司のヒガシ(鶴見辰吾)から義烈団の監視を命じられる。
義烈団の地域リーダーであるキム・ウジン(コン・ユ)との接触に成功したジョンチュルは、
ウジンから想定外に団長のチョン・チェサン(イ・ビョンホン)と引き合わされる。
チェサンとウジンはジョンチュルの心境を見透かし、協力を頼むのが得策と判断したのだ。
我々は故郷を同じくする同志、助けてほしいと。
悩みつつも義烈団に手を貸すことにしたジョンチュル。

義烈団は京城(現ソウル)の日本の主要施設を標的にした大規模な破壊工作を計画。
その遂行のためになんとか京城にたどり着きたいと言う。
ジョンチュルは日本の警察の目を欺きながら、ウジンに京城入りを手引きするのだが……。

日本人が悪く描かれる作品というのは、日本人としては気分のいいものではありません。
たとえば今年観た作品では、『レイルロード・タイガー』なんてこれもう最悪。
こんな日本人を演じる池内博之ってどうなんと思ったぐらい。

しかし本作は、好きな俳優ばかりが出ているという贔屓目を抜きにして面白い。
鶴見辰吾こそ日本人による日本人役ですが、
彼の部下の日本人役は韓国人俳優が演じていますから、日本語が変なんです。
役柄としては片言の日本語というのはよくないけれど、日本人が悪く描かれている印象が薄い。

そして、朝鮮対日本という構図の印象も少ない。
相手がどこであれ、独立と自尊心を求めて命をかけて戦った人たちの物語なのだと思います。

余談ですが、やっぱり鳥谷敬に似てるよ、コン・ユ。
顔が映ると嬉しくて仕方ないんですけど。やっぱり贔屓目入ってる!?

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