電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

読書の秋なのに、さっぱり本を読めていないが

2022年09月25日 06時00分39秒 | Weblog
「暑さ寒さも彼岸まで」というお彼岸も中日を過ぎて、いよいよ本格的に秋なのですが、読書の秋というものの、このところさっぱり本を読めていません。手を付けている本はいろいろあるのですが、要するにみなノンフィクションの硬いものばかりで、一気に読み終えるタイプのものでないのが理由でしょう。今、断続的ではありますがおもしろく読んでいるのは、鬼頭宏著『人口から読む日本の歴史』という講談社学術文庫です。これがなかなか面白い。時代別・地方別の人口の推移を推計した表など、文庫本のサイズではとても読めませんので、思い切り拡大コピーして眺めると、これがまた実に興味深い。

草思社文庫で渡辺尚志著『百姓たちの幕末維新』も、帯のコピーに「当時の日本人の8割を占めた百姓たちの、日々の暮らし、動乱への関わりを史料から描いた、まったく新しい幕末史」とありますが、これも出羽国村山地方の旧家の文書を取り上げて分析するなど、従来の視点とは一風異なる歴史書となっています。これも実に興味深い。それに中公新書の『荘園』が控えていますので、いやはや、「理系の歴史知らず」が背伸びして日本史に首を突っ込んでいるのですから、なかなか進まないのは当然なのかも。たぶん、生物・化学、医学などを専門としない人が、現代の免疫学の進歩をフォローしようとすると難儀するのと同じことなのでしょう。

年齢とともに視力だけでなく気力が減退すると言われますので、硬派の読書は、おそらく70代のこの十年がせいぜいなのかもしれません。そういえば母方の祖父の晩年は、「水戸黄門」をはじめとする時代劇の偉大なるワンパターンを好んでいたように記憶しています。晩年の亡父が、ヒロシマの入市被曝による原爆症の健康被害を嘆きながら、自分が体験した昭和史の真相を知ろうとさまざまな本を読んでいたのは、もしかすると稀有なケースだったのかもしれません。

コメント (4)