人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

小泉和裕 ✕ 新日本フィルでベートーヴェン「交響曲第8番」、チャイコフスキー「交響曲第4番」を聴く ~ 第656回定期演奏会:第1ヴァイオリン堀内麻貴さん退団

2024年05月20日 00時01分03秒 | 日記

20日(月)。わが家に来てから今日で3415日目を迎え、金正恩総書記の妹・与正氏は17日、北朝鮮がロシアと兵器の取引を行っているとの指摘について、「最も荒唐無稽な憶測だ」と否定した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     国連機関がウクライナで北朝鮮製の兵器が使われたと報告している  荒唐無稽は誰?

 

         

 

昨夜、サントリーホールで新日本フィル「第656回定期演奏会」を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「交響曲第8番 ヘ長調 作品93」、②チャイコフスキー「交響曲第4番 ヘ短調 作品36」です 指揮は新日本フィル初代音楽監督を歴任した小泉和裕です

先月の定期演奏会が他公演とダブったためトリフォニー・シリーズに振り替えたので、今回が新シーズン初めてのサントリー・シリーズ定期の指定席です

 

     

 

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いうもの新日本フィルの並び コンマスは伝田正秀、隣はアシスタント・コンマスの立上舞です

1曲目はベートーヴェン「交響曲第8番 ヘ長調 作品93」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1811年から12年にかけて作曲、1813年にルードルフ大公邸で私的に初演され、1814年2月27日にウィーンのレドゥーテンザールで公開初演されました この曲はベートーヴェンにしては規模が小さく、第3楽章にメヌエットを置いていることから、古典派回帰か?と思われるのが特徴です 第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ・エ・コン・ブリオ」、第2楽章「アレグレット・スケルツァンド」、第3楽章「テンポ・ディ・メヌエット」、第4楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

小泉が指揮台に上がり第1楽章に入りますが、「相変わらず、変わらないなぁ」と思ったのは、まるで指揮台に根が生えたかのように両足を固定して、演奏中は全く足を動かさないのです そして、ほとんど上半身だけで指揮をします 指揮の振りは大きく、ほとんどカラヤンの振りにそっくりです 1973年カラヤン国際指揮者コンクールで第1位となり、ベルリン・フィルを指揮してベルリン・デビューを飾ったことと無関係ではないでしょう

冒頭から極めて速いテンポですっ飛ばします 弦楽セクションのアンサンブルがとても美しい 第3楽章「テンポ・ディ・メヌエット」の「トリオ」で小泉はテンポを落とし、ホルンに存分に歌わせましたが、この演奏は聴きごたえがありました 第4楽章では、固いマレットで打ち込まれるティンパニが心地よいリズムを刻むなか、管弦楽によるメリハリのある演奏が繰り広げられました

この曲で小泉が目指したのは、作品規模に応じた小規模編成のオケによる”軽め”の演奏ではなく、現代の大規模編成によるオケによる”重厚感”溢れる演奏だったように思います

 

     

 

プログラム後半はチャイコフスキー「交響曲第4番 ヘ短調 作品36」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1877年から78年にかけて作曲、1878年2月10日にサンクトペテルブルクで初演されました 第1楽章「アンダンテ・ソステヌート ~ モデラート・コン・アニマ ~ モデラート・アッサイ、クアジ・アンダンテ ~ アレグロ・ヴィーヴォ」、第2楽章「アンダンティーノ・イン・モード・ディ・カンツォーナ」、第3楽章「スケルツォ:ピッツィカート・オスティナート:アレグロ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・コン・フォーコ」の4楽章から成ります

良く知られているように、チャイコフスキーは1877年から14年間、富豪の未亡人であるナジェンダ・フォン・メック夫人から金銭的援助を受けながら作曲活動を行いました 2人は一度も会ったことがなく、夫人は何の見返りも求めなかったと言われています 第4交響曲は彼女の援助を得て作曲した最初の成果のひとつと言える作品です

第1楽章冒頭はホルンを中心とする金管のファンファーレで開始されます これは「運命の動機」と呼ばれる音楽で、全曲を統一します 第2楽章では冒頭の神農広樹のオーボエの抒情的な演奏が冴えていました 第3楽章では渡辺泰のピッコロが際立っていました 全体を聴き終わって思ったのは、小泉はかなり緩急のテンポと強弱を変えてメリハリのある演奏を展開していたことです 歌わせるべきところはテンポを落として存分に歌わせ、アレグロの部分では思い切ってテンポを上げて、アグレッシブな演奏を楽員から引き出しました オケ総動員による力強く輝かしいフィナーレは圧巻でした

満場の拍手とブラボーが飛び交うなか、カーテンコールが繰り返されました

 

     

 

そして、この日の演奏会を最後に新日本フィルを退団することになった第1ヴァイオリン・フォアシュピーラー堀内麻貴さんに小泉氏から花束が贈られました

 

     

 

帰りがけにホール入口脇の事務局受付に寄り、登原さんと ほんの短く立ち話をしましたが、「堀内さんは、皆さんから慕われていました」とのことです 堀内さんは1985年に新日本フィルに入団以来、39年にわたり第1ヴァイオリン・フォアシュピーラーを務めてこられました

堀内さん、長い間素晴らしい演奏を聴かせて下さりありがとうございました いつまでもお元気で ご活躍ください

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