ぼんくら放浪記

Blogを綴ることによって、自分のぼんくらさを自己点検しています。

キイジョウロウホトトギスの里

2014-10-31 05:00:00 | 田舎

国王山行を諦めて、春に行った佐本渓谷へ再び行ってみようと思って、愚車を国道371号線で三尾川まで北上し、前回は工事で迂回させられた道へ入って、美女湯温泉の手前で左折すると佐本川に沿って県道があるので、その道で佐本渓谷まで行ってみようと思ったのでした。計画通りに県道に入ったのですが、その道の狭いこと、対向車が来たらさぞ難儀すること間違いありません。渓谷付近ではもっと道幅は広かったのにと思いながら、5分ほど走って車が2台停まっている所に私も愚車を停めて一旦下車しました。停めてあった車に乗って来た人は川に降りて、落ち鮎の簗漁の仕掛けを作っている最中でした。私はどんな道なのかと少し歩いてみましたが、どう考えても車2台分の幅はありません。仕方なくUターンして、七川ダムから佐本へ抜ける県道を走って行ったのでした。

             

秋になると渓谷の紅葉が素晴らしいと何かに書いてあったので、古座街道の佐本往来は歩いたので、もう一度最後の方の渓谷だけを歩いてみたかったのですが、なかなか上手くはいかないものです。秋になってもう一つ見ておきたかったのはキイジョウロウホトトギス、以前は一枚岩の前の国道際の山肌にもキイジョウロウホトトギスは咲いていましたが、今は一枚岩辺りではその花を見つけることが出来ません。春に佐本を訪れた際にキイジョウロウホトトギスの里と書いた標識があったことを思い出し、この日は西野川沿いの道を登ってどんな里なのかと期待を抱きつつ、歩き出したのでした。

             

大々的に水車小屋などと書かれた案内板もあるし、さぞかし観光地化されて、喫茶店風の店でもあって、そしたらそこで昼ご飯でも、オークワで買った弁当は夜にでも食べようと思って歩いていると2分も歩かないうちに山側の高い所にキイジョウロウホトトギスの葉が群生しています。ほとんど花が咲いていないので、車で通ったら気が付かなかったかも知れません。

            

群生していると言うより50mぐらいに亘って植えられているのです。来たのが早過ぎたのか、遅過ぎたのか、あのプラスチックで造ったような黄色い花が観れないのが残念です。

             

キイジョウロウホトトギスの花の成長を観察したことがないので、この白く立っているのがこれから花を咲かせる蕾なのかどうか分かりませんが、もし蕾だとしたらもう少し遅くやってきたら見ごろだったのかも知れません。

            

道路左側を流れる西野川も清流で見る目を飽きさせませんが、山側を見ていないとキイジョウロウホトトギスを見落としてしまうかも知れません。

       

ずっと人気のない道を歩いてきましたが、15分も歩くと田んぼや民家が見え出しました。10月中旬なのに稲が干されている風景を眺めて、もう脱穀した後の藁を干しているのかと思ったけど、よく見ると未だ籾は付いたまま、この辺りの稲刈りは随分遅いのですね。

             

更に3分ほどでキイジョウロウホトトギスについての説明板に到着、説明の最後の方は“西野川地区の山中茂氏は、この上の自宅の石垣にキイジョウロウホトトギスの栽培を成功させた人です。”とあったので、振り返って道の上の方の家を見ますが、キイジョウロウホトトギスの花を見つけることができません。

               

ところが歩いてきた道沿いの石垣に植えたキイジョウロウホトトギスを隠すように覆ってあるのを見つけました。隠しているのではなく、きっと日当たりが良すぎると花は咲かないのかも知れません。植えられているキイジョウロウホトトギスですが、やはり花をあまり付けてはいません。時期尚早だったのか、或いはキイジョウロウホトトギス祭が2週間前に行われているので、遅すぎたのかも知れません。

            

もう少し奥へ行ってみようと思って、更に歩き出しましたが、民家はなくなり、柑橘系の実がなる畑が続いてきたので、そこから引き返しました。

             

やっと見つけたキイジョウロウホトトギスの花、でももう枯れかかっています。キイジョウロウホトトギスを漢字で書くと紀伊上臈杜鵑となるようで、紀伊は紀伊半島を現し、上臈は宮中や大奥での位の高い女官のこと、杜鵑は花の内側の斑点が鳥のホトトギスの胸毛と似ているからだとか。紀伊半島に自生し、品位の高い女官のようで、ホトトギスの胸毛に似た斑点が有る花ということでしょう。しかし時代劇でよく聞く「この下郎」という言葉、上臈の反対語かと思ったけれど、違うんですね。

             

「鳴かぬなら」切って捨てようが、鳴かせてみせようが、鳴くまで待とうが、私はホトトギスがどんな鳥で、どんな鳴き方をするのか知りません。

水車小屋で軽く昼食をと思っていたのに、水車小屋はただの水車小屋なのでした。案内板に書くほどのことはありますまいに。往復1時間足らず、愚車に戻ってオークワで買った弁当を広げたのでした。


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