『古座川ゆず平井の里』というのは平井地区の別称では無く、農事組合法人というあまり聞いたことのない団体のことだったので少々がっかり、とはいえこの地区に住む女性が中心になって立ち上げたというプロフィールもあるので、当初(昭和60年)は一種の冒険だったのでしょう。
農事組合法人というのは農業協同組合法に基づく協同組合であり、非営利法人です。非営利法人ですから社員に利益を配当することができないので、ここでの利益は何処に納められているのか詳しくは分かりませんが、営業活動を続けているのですから、きっと幾ばくかの利益はある筈です。
『ゆずの学校』という施設があり、そこでは昼食がとれたり、加工された商品を販売しています。どうやらこの日はお盆なので他の建物には人気が無く、工場も稼働されていない様子でした。
裏庭にまで行ってみましたが、車が2台停めてあるだけ、2台と言えば『ゆずの学校』に二人の女性が働いていたので、その方のものかも知れません。
敷地内にはDOCOMOのアンテナも建っていました。歩いていると私の働いていた会社の光ケーブルも、こんな田舎の山奥まで開通していましたが、おそらく一般家庭でインターネットを引いているところは皆無だろうと思われるので、使っているとしたら北海道大学かこの法人ぐらいのものなのでしょう。
訝しいのは山奥の生産現場まで来ているのに、商品が下界で売られているのと同じ値段だったということ、一度来てくれというような宣伝もあって高いガソリンを使ってはるばるやって来たのに、これではやって来た人に何の便宜も図られてはいません。2割引きにしてもやってきた客のガソリン代が賄えることはありますまい、そんな心遣いが必要だとは思うんですがね。
まぁ冷たい麦茶の一杯は出してくれたんですがね、なので下界では見かけない商品を購入しました。
ちょっと失望して、再び平井の集落を見学です。大塔村への案内板がありますから、この道を辿れば元の橋まで行けるのだと思い、矢印の方向へ進みます。
山の中腹に鳥居がありました。地図では若宮八幡宮とありましたが、暑いので登るのは止めました。
川を見下ろせるところまで来ると、向かい岸に道が見えます。きっとあの道を逆方向に歩けば、元の橋に戻れるのです。こちらがわの断崖にはゆずの木がたくさん植わっていました。
上流に架かっている橋から上流の景色、人の姿が2~3人見えましたが、この写真では分かりません。きっとこの写真の左側に降りれるところがあるのでしょう。ここから次の橋まで河原に降りるところはありませんでした。
こちらはその橋から下流を眺めた写真。上のものより穏やかなので、河原で遊べそうです。降りるところが無いので当然と言えば当然なのですが、河原で遊ぶ子供の姿がありません。高齢化が進んで学校へ通う子供などこの集落にはいないのかも知れません。
降りることろが無いと書いたけど、左岸の平井の里がある方からは、ゆずの畑の合間からなら降りれるようになっていたところが見えました。
ゆず畑、こちら側の岸部(右岸)にはゆずの木は1本もありません。住居の庭には所々にゆずの木が散見されます。
道路が陥没していてびっくりしました。去年の台風による被害なのでしょうか?上流にはダムは有りませんが、去年の台風時にはどれ位まで水位が上がったのでしょうね。
お盆に降った雨のせいか、右岸・左岸とも山から流れてくる水量が多く、びっくりさせられました。
このように染み出てくるような水も所々に見られます。
民家と民家の間を迸るように流れる水。豊かな山の保水力を持ってしても、これだけ水が排出されるというのは、相当雨が降ったということなのでしょう。
右岸の方が人が住んでいると思われる家が多いように思います。『平井の里』とは、法人ではなくて、こういう風景のことを言うのだ!ではいけませんか。
元の橋の袂まで戻ってきて、下流の風景です。普段はもっと水量が少ないのだろうと思うのですが、ここには飛び込んで遊べば面白そうな淵が有りました。