珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

一足先の夏

2013-06-29 10:50:32 | その他
先週の記事でも触れましたが、台湾に忘れてきたカメラが無事戻ってきました。お手数かけた方々にまずは感謝です。ありがとうございました。

学生時代の格安旅行から海外出張まで、これまでは全て成田からの移動でしたが、今回初めて羽田からの搭乗となりました。成田エクスプレスの雰囲気も好きなのですが、羽田となるともう通勤感覚というか、国内出張の感覚でした。便利さを実感します。今回は一週間もない出張でしたので荷物は全て機内持ち込みで済みました。


往復ともJALを使いました。JALの騒動があったのは、もう何年前でしょう?月日が経つと関心は薄れてしまうものです。もちろん当事者の方は大変な苦労をされたのでしょうが、客側は気楽なものです。ただ、東電といい、シャープといい、一寸先は何が起こるかわからない時代であることは言えます。


台湾の空港というと桃園のイメージがありますが、今回は松山(ショウザン)空港が玄関口です。入国手続きを終えて、1万円分を元に替えました。物価は特に安いという感じはしませんでしたが、生活費+足裏マッサージ+お土産はこれで十分でした。飛行場を出ると南国の暑さが待っていました。この出張の段階では既に沖縄は梅雨明けでしたから、更に南方の台湾はとっくに明けています。素直に考えると5月頃が梅雨なんでしょうかね。写真の左端に映っているビルが、500m超えの台北101です。この時はタワーは意識していなかったのですが、帰り際に撮ろうとしてカメラの忘れ物に気付いた次第です。


滞在したのは台中より更に南下した雲林県の斗六という街です。


日本との時差は1時間です。ですから目が覚めるのは現地で早朝ということになります。朝食の調達がてら散歩してみました。ここはちょっとした街の広場で、朝から熱心にヨガをやっている人々がいました。動きが揃っているのでびっくりです。ホテルの食事が今一つとの話を聞いていましたので、近くのセブンイレブンを利用しました。サンドイッチは違和感ありませんでしたが、おにぎりは具の甘さにちょっと閉口です。台湾の食事は油がきつくて駄目という方もいます。小龍包や魯肉飯などは抜群に美味しかったですが、長期滞在だと苦労があるのかも知れません。


最後に携帯した本です。吉田修一さんの「路」という小説です。台湾新幹線の建設プロジェクトを題材に、それに関わる人々のちょっとした成長物語です。同時並行的に進む日本人、台湾人の物語がプロジェクトを介して一つにつながっていく展開が面白く、駆け足で読んでしまいました。今回は車での移動でしたが、プライベートで行く機会があれば新幹線に乗りたいところです。吉田修一さんは、ANAの「翼の王国」で連載されていたエッセイを機内で読んだことで知りました。iPodも持っていきましたが、殆ど出番は無し。敢えて音楽を絶つのもいいのでは思います。自宅に戻って最初に聴く音楽が活きます。


麦わら帽子に、路上のスクーターラッシュ、薄味のビール、それに熱気・・・アジアを感じますね。蝉かどうかわかりませんが、日本ではあまり馴染みの無い鳴き声でした。一足早い夏を先取りしてきました。
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梅雨の晴れ間に

2013-06-23 12:00:07 | その他
その後も週末は晴れていれば、自転車に乗っています。山と渓谷社から出ている「神奈川自転車散歩」というガイドがあるのですが、やや長めのコースが組んであって参考にしています。お蔭で普段足を伸ばせなかった新百合ヶ丘方面とか、港北ニュータウン方面にも気軽に行くようになりました。散歩には散歩の良さがありますが、行動半径の広がりは自転車の魅力です。実は先週は沖縄のその先の隣国に出張だったのですが、不覚にもカメラを現地にステイさせてしまいました。幸い直ぐに見つかり、送ってもらうことになっています。カメラが届いたら改めて記事にするとして、梅雨の晴れ間のポタリングの話題です。


横浜市や川崎市の北部には多摩丘陵が広がっていて、自転車には手応え(足応え?)のあるアップダウンがあります。いわゆる激坂もあって、どうしようもない坂に出くわすと降りざるを得ないこともあります。ちなみにこのショットは川崎市と町田市の境の高台からの眺めです。川崎フロンターレの練習グランドが近くにあります。先のガイドの通りに行けば何とか登れるのですが、逆周りだと話になりませんでした。スポーツ系のバイクを手で押すのは避けたいところですが、見栄を張るものでもありません。別の日でしたが、この高台は、丹沢と富士山の眺めがいいことを発見しています。


この日のショートトリップの締めが、近所にある「ふるさと村」です。青空に夏の雲・・・雰囲気だけでも田舎の夏休みを先取りです。この後の台湾出張では、本物の夏を先取りしてきましたが。


さて今日は午前中、古いデジカメを棚から取り出し、港北ニュータウンの中を1周してきました。晴れにもかかわらず涼しくて気持ちよかったです。今でこそ広大なニュータウンが形成されていますが、もう四十数年横浜北部に住む身としては、景観の変化に蓄積された時間を感じます。横浜市北部はまず東横線、田園都市線沿線が開拓され、その間を埋めるようにニュータウンが形成されました。ちょうどニュータウン脇の高校に通っていましたが、当時部活で走ったのが造成中の道路でした。もう30年以上も経ちます。まあ、当時聴いていた音楽は未だにオーディオで楽しんでますから、変化がないのは私の方かも知れません。


ニュータウン内にはサイクリングや散歩が楽しめるよう、道が整備されています。ところどころ未舗装の場所があったり、


石畳が出てきたりするので、できればMTBでカジュアルに乗るのがよさそうです。25Cのタイヤには少々かわいそうな気もしました。


あちこちに池があり、池を中心に公園が形成されていました。もとは多摩丘陵の原生林に点在する池だったのでしょうが、上手く活用されています。


水上の花も見頃でした。


ニュータウン内には川和富士、山田富士と呼ばれる富士塚由来の郷土富士があります。といっても数分で登れる小山です。川和富士からの夕景は素晴らしいので、いずれは写真で紹介したいと思います。休日の午前、できれば早い時間に運動すると、心地よさが違います。音楽を聴く時間はアルバム数枚分減るかもしれませんが、その後に聴く音楽が充実しますから、やはり運動した方がいいのではないかと思っています。午前中であればアルコールにも手が出しにくいですから、お奨めします。さて、何を聴きましょうか?

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オーディオ関係の書籍から

2013-06-15 18:06:59 | オーディオ
やっと先週は梅雨らしい一週間となりました。最近読んだオーディオ関係の書籍からいくつか紹介します。

以前に、聴覚心理学の本を紹介しました。これも関連の書籍ですが、より空間の知覚にフォーカスした内容となっています。平行法にしてSPの外側から音が聞こえるようになりました。2年半経ちますが飽きるような気配はありません。先日、お試しでSPの位置は変えずに内振りにしたら、案の定、音はSP間に収まりました。すっかり平行法の音に慣れてしまったようです。人の空間知覚はオーディオ以前の基本的な性質ですから、あとは耳にどんな刺激が入ってくるかで音像の位置が決まります。ステレオ再生の場合、SPの配置・向き・指向性で決まる、両耳間レベル差が支配的で、位相差の影響は少ないと思います。


こちらは菅野さんのオーディオ羅針盤で、古書です。そう言えばステレオサウンドの巻頭言が復活しましたね。菅野さんはオーディオファンにに対しても、オーディオ業界に対しても大抵辛口のトーンですが、これもそんな1冊でした。一番面白いと思ったのは、オーディオコンポーネントに関するくだりです。機器と部屋と、そして聴く人をオーディオのコンポーネンツとして捉えているところです。機器はともかく部屋と人(=聴く能力)はなかなか変えられないですね。結局、時間を費やすしかないと、言われているわけです。機器の投資はしばらくありませんから、せいぜい聴く側を鍛えないといけません。


瀬川さんや岩崎さんの著作が相次いで発行されています。もう亡くなられて30年以上経ち、何故今頃?という気がしないではありませんが・・・。ステレオサウンドを買いに行ったら、本誌よりも目立つ位置にディスプレイされていたのが、瀬川さんの著作集(別冊ステレオサウンド)でした。瀬川さんの本は内容は勿論、軽快な語り口が気に入っています。偶然ですが、同じ時期のステレオ誌でも、SMEのアーム調整に関する瀬川さんの記事が付録となっていました。CD再生が遠ざかった今、デジタルはネットで、アナログは当時の書籍で情報を得るようになってしまいました。


オーディオ雑誌はSS誌とアナログ誌を定期的に購入しています。さてSS誌で嬉しいのが、和田さんの「ニアフィールドリスニングの快楽」の連載が再開したことです。ファンの支持があったのでしょうか。また真っ先に読むページが定まりました。今回はかなり突っ込んだ内容で、引っ越した後の装置を写真付きで公開し、その上で、音が今一つと正直に告白されています。その理由は音場の広がりの不足にあるようです。使われている装置は、雲の上のハイエンド機ですから、部屋やセッティングの重要性がわかりますね。長辺配置をトライされるようなので結果が楽しみです。


最後は番外編です。イングランドのベッカム選手が引退を表明しました。ルックスもよく知名度がありましたから、サッカーファンでなくてもご存じの方は多いでしょう。以前からイングランドとオランダを応援している身としても気になる選手ではありました。華麗なイメージが先行していますが、どちらかというとfor the teamに徹して献身的に動く姿が印象に残っています。マンチェスター時代の栄光の時代もいいですが、レアルマドリードの最終年も記憶に残ります。チーム構想から一旦外れながらもレギュラーに復活しリーグ優勝に貢献しました。今後はW杯8強どまりだった母国の再建にかかわって欲しいと思います。
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チョン・キョンファ、ヴァイオリンリサイタル

2013-06-08 06:38:48 | ライブ
ワールドカップ、ようやく出場が決まりました。火曜日は職場を早めに切り上げてTV観戦された方も多かったのではないでしょうか。印象に残ったのは本田選手のPK、というより気持ちの強さでした。蹴る前からボールを抱えてましたし、蹴った先はゴールのど真ん中。優勝宣言には様々な受け止め方があるでしょうが、ここまで身で示されると説得力はありますね。残り1年、しっかり仕上げてブラジル大会に臨んで欲しいものです。さて、今回は、その前日の東京文化会館でのヴァイオリンリサイタルの話題です。チョン・キョンファさんの15年ぶりの日本での演奏会に行ってきました。

キョンファさんについてはクラシックファンであれば説明は不要ですね。全盛期は70~80年代ですが、オーディオはもちろんクラシックも全く疎遠だった私は、存在を知ったのはずっと後でした。おそらく名前はどこかでインプットされていたのでしょう。オーディオ熱が高まってクラシックに興味がわき、ヴァイオリンの世界の指南役に選んだのがキョンファさんでした。その後もDeccaのBOXはよく聴いてますし、EMI移籍後の個別のアルバムも散発ですが購入しています。おかげでBRUCHやSAINT-SAENSのヴァイオリン協奏曲のような、これまで知らなかった名曲を好んで聴くようになりました。


上野駅前からのスカイツリーです。いつもながらコンサート前はちょっとした高揚感がありますが、この日は特にそうでした。それでもお腹は空きますので、サンドイッチを頬張りながら開場を待ちました。


文化会館はAna Vidovicさんのリサイタル以来ですが、大ホールは初めてです。まわりを見るとキョンファさんと同世代のご年配の方が多かったようです。開演前には満席となっていました。
 


プログラムは、前半がMozartとBrahmsのソナタ、後半はSzymanowskiの「夜想曲とタランテラ」とFrankのヴァイオリンソナタです。前半の落ち着いた感じから転じて、後半はグッと力がこもって引き込まれました。Szymanowskiの躍動感にあふれる演奏を、キョンファさん自身も楽しんでいるようでした。例によって演奏後にブラボー!と叫んでいるおじさんがいましたが、気持ちは理解します。締めのFrankのソナタもいい曲ですね。これは予習不足を反省しなければなりません。全編ピアノとのカップリングで、ピアノはKevin Kennerさんでした。優しいタッチは今のキョンファさんの演奏にもピッタリだと思った次第です。

会場ではCDを1枚購入しました。EMI盤でBEETHOVENとBRUCHのヴァイオリン協奏曲です。前者はコンセルトヘボウ管弦楽団との組み合わせを、後者はキョンファさん自身のDECCA盤との聴き比べを楽しむことにします。リッピング済でこの週末はこれ1枚で十分です。


ピークの時代の演奏を聴きたかった・・・本音ではそうですが、こればかりは巡りあわせですから仕方ありません。当時の演奏はオーディオに委ねることにします。盤質のいい中古レコードを、値は張っても時間はかかっても、集めていくのも面白いと思います。おそらく生で聴く機会はもうないでしょう。2005年に指を故障し苦しいブランク期間があったようですが、それを克服して復活してくれたことにまずは感謝です。なんとか最終列車に間に合った、そんな感じでリサイタルを楽しませていただきました。昔の演奏を聴いていない分、余計な比較をしないで済んだのかも知れません。

ところでキョンファさんの母国、韓国はサッカーでは日本より先輩格です。最終予選は混戦模様ですが、ようやく首位に出ました。因みに日本は5大会連続出場となりましたが、もし韓国の出場が決まると8大会連続になります。オーストラリアを含めて、このところアジアのサッカーは東高西低となったようです。
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AIT DAC導入の振り返り

2013-06-01 11:54:36 | オーディオ
AIT LABOのDACを導入して1カ月を経過しました。すっかりこのDACの音にも慣れ、相変わらずとっかえひっかえ曲をmpodから選択しては楽しんでいます。ここでAIT DAC導入の振り返りをしてみます。結局これは、約3年半に渡るPCオーディオの旅のラストピースだったようです。

よくPCオーディオやネットワークオーディオは、上流こそ違えど、下流は従来オーディオと同じ・・・という文言を目にします。確かにそうなのですが、何処からが下流と考えるかは、DAC以降なのかプリアンプ以降なのか、で変わってきます。要はPC側をトランスポートと見るか、プレイヤーと見るかの違いです。重量級のCDトランスポートへの抵抗感もあって、どちらかというと私は前者の見方をしていました。つまりPC側ではDDコンバートまでをしっかりやり、あとは単体DACにバトンタッチという見方です。単体DACを従来オーディオの枠組みで捉えていたというわけです。

ネット上でAIT LABOのDACの存在を知ったのは昨年のいつ頃だったでしょうか?基板の頒布というハードルの高さから様子見だったのですが、完成品の販売や試聴機貸出などもあって気にはなっていました。次にオーディオ製品を買うならOPPOのユニバーサルプレイヤーかなと考えていたのですが、同じDACチップES9081を使いこなすAIT LABOのDACに急に関心が移っていきました。やはり映像より音なのですね。AIT LABOの工房にお邪魔した際に、FPGA上のプログラムを作成する画面をチラッと見せていただきましたが、機械語のソースコードを見て、これは純粋にコンピュータの世界だと思いました。


今はDACまでが上流、プリアンプ以降が下流という線引きに、鞍替えです。

ここでPCオーディオの3年半の旅を時系列で振り返ってみましょう。
 2009年12月:単体DAC エソテリックD-07導入。すべての始まりでした。
 2010年5月~8月:Foobar2000Wave File Player・・・。Windows上での模索です。
 2010年7月:CDプレイヤーを外す
 2011年2月:NAC-HD1(クロック改)の衝撃。論より証拠でした。
 2011年5月:Voyage MPD導入。Linuxの世界へ。今のスタイルの原型です。
 2011年11~12月:電源周りの整備。エルサウンドGPC-TQなど。
 2012年:USB-DDCの見直し。JAVS X-DDC導入
 2013年1月:Cuboxの導入
 2013年5月:AIT LABO DACの導入
こうして並べてみると、DDCより上流を重視していてトランスポート代替派であったことがわかります。そしてプレイヤー代替のためのラストピースとしてAITを選んだということです。

PCオーディオの面白さは、元来ブラックボックスであったCDプレイヤーの中身を、ユーザーサイドに開いて弄れるようにした点にあるはず。ならばCDプレイヤーに普通に納まっているDAC基板も、こちら側(PC側)の世界に取り込んで、楽しむのがいいと思うようになりました。ただし、DDCやCuboxと違って値が張ります(桁が1ケタ違います)。ガレージメーカーですからオーディオメーカー同様の品質保証や長期サポートを、期待することはできないでしょう。試聴機がありますから音そのもののリスクは無くせますが、他の部分ではリスクを負うことになります。

それでも、この音を耳に刻んでおくことは将来の(自分にとってのおそらく最終の)DACの選定にも役立つと考えています。仮にメーカー品のDACを選ぶとしても、AIT LABOのDACを超えて貰わねばなりません。かなりのハードルとなることでしょう。ところで、AITのページを見てると、何やらクロックの供給方法の改善がある様子。小回りが効く点は、逆にオーディオメーカーにないメリットですね。
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