珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

ハンコックさん、taoさんを迎えて

2023-06-24 09:46:17 | オフ会
6月17日の土曜日、ハンコックさんとtaoさんを招いてオフ会を行いました。お二人ともOracleのアナログプレイヤーをお使いですので、「Delphi」の会でもありました。実は3人揃うオフ会は今回が初めてでした。昨年9月にその機会はあったのですが、ハンコックさんのパワーアンプ不調に伴い、一旦流れました。それ以前ではtaoさんからお誘いいただいたものの、当方の都合がつかないこともありました。ハンコックさんは1年ぶり、taoさんは実に9年ぶりのご来訪です。というわけで、長年越しの「Delphi」の会、成立です。

会のスタートは午後2時でした。ハンコックさんをオーディオ部屋に通して間もなく、taoさんがお越しになりました。再生の前に一通り、システム構成を説明させていただきました。機器のみならず、あちらこちらに配置されたウェルデルタも関心を引いたご様子です。当日は梅雨の晴れ間で、30℃越えの夏日となりました。オフ会では極力冷房は使用したくないのですが、微妙な季節に入りました。事前の冷房と途中の換気で、何とか再生中は冷房を入れないままで通しました。夏場のオフ会は、真空管アンプ派の泣き所です。


いつものようにデジタル、アナログの順で再生しました。ハンコックさん向けにジャズを、taoさん向けにクラシックを、という意識もありましたが、結局、ジャンルフリーで様々聴いていただきました。数曲かけたところで、ノイズの少なさが印象として残られたようでした。ハンコックさんは1年前にお越しいただいています。声質はそのままに、力感が増したとのコメントをいただきました。機器は変わっていないので、主な変化点はウェルデルタ導入です。特段の副作用は無かったようで、ホッとした次第です。

休憩を挟んでハンコックさんのデジタル音源を聴かせていただきました。アート・ペッパー、ハンプトン・ホーズ、カーティス・フラー、ヘレン・メリルと名の知れた面々です。ハンコックさんと言えば、ジャズ、そしてレコードのイメージが強いですが、CDでも音の良い盤を探されています。現物を持ってきていただきありがとうございました。名盤『Blues-Ette』を聴くのは久しぶりです。「Twelve-Inch」をかけましたが、あらためてメンバーの良さを再確認しました。システムも何とか鳴っていたようで一安心、でした。


最後にアナログを聴いていただきました。ユーミンの「青いエアメイル」、リンダ・ロンシュタットの「What's new」はデジタルでもかけたのですが、随分と違いがあったようです。アナログの方が開けた感じがあり、部屋中に音楽が広がるといったご感想でした。ノイズの少なさ、音の精緻さではデジタルが優位ですが、それだけではない何かあるようです。フェーズメーションのカートリッジとフォノイコライザーの組み合わせも効いているとのご指摘もありました。ともあれアナログ使いのお二人にアナログを楽しんでいただけて、よかったです。

最近仕入れたコレクションより。伊東ゆかりは、コロンビア移籍直後の70年の『ゆかりの贈り物』より「白い色は恋人の色」をかけました。ケニティーさんとのオフ会でも取り上げた高田みづえは、『イマジネーション』より「私はピアノ」を選びました。60年代から80年代前半の邦楽は、CDそのものが無い、あるいは入手が困難ないことが普通に生じます。それでも最近は、ストリーミングサービスで聴けるようになりました。事前のチェックで良さげなアルバムをチェックし、中古レコード屋で現物を探すのが、パターン化しつつあります。


途中、ハンコックさんの貴重なアナログレコードを2枚聴かせていただきました。デジタルでも再生したハンプトン・ホーズと、アート・ファーマー/ドナルド・バードのアルバムです。後者は珍しいトランペットの共演です。往年のジャズのオリジナル盤を聴く機会は、拙宅ではまず考えられませんので、やや緊張感を持って針を落としました。先日のtaoさん宅ではクラシックのレコードを聴かせていただきました。「Delphi」の会のメンバー、それぞれレコードのジャンルが異なるのが面白いと思いました。


予想はされましたが、あっという間の3時間半、過ぎるのが早かったです。デジタルとアナログの差を埋めるのか、違うものと割り切るのか。あらためて考える機会になりました。それぞれの良さがあるわけなので、行先は別でもいいのではないかとも思います。コロナ禍でシステムの整備が進み、聴くことに意識を回せるようにもなりました。優劣を気にせずに共存させるのが良い、となりそうです。終了後「壺中天」でアルコール抜きの感想戦を行い、散会としました。ハンコックさん、taoさん、ありがとうございました。
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EL34交換

2023-06-11 17:20:13 | オーディオ
GWオフ会あたりから、パワーアンプ(Octave のプリメインアンプV40SEをパワーアンプとして使用)の保護回路が働くようになり、そろそろ真空管を交換しなければと考えていました。いつも球を購入している秋葉原のアポロ電子のHPを見ると、当てにしていたスヴェトラーナ製のEL34の値段が表示されていません。テレフンケンやシーメンスといったビンテージ品は値段がついているものの、値が張ります。保護回路を気にしながらの再生では音楽を楽しめないので、GWの最終同曜日の6日に秋葉原に向かったのでした。


店頭に出向いて早々に、スヴェトラーナのEL34の件を伝えると、4月に完売したとの話でした。スヴェトラーナの球はロシア製です。この世界事情ですから入手が難しくなったり、制裁の煽りで値が上がることが容易に想像されます。もっとアンテナを張っていれば、売り切りセールの存在は知ることができたはずです。仕方なく、まだ残っているエレクトロハーモニックスで揃える方向で考えたのですが、レジ後方の棚にしっかり、スヴェトラーナの4つの箱が見えるではありませんか。ダメ元で尋ねたところ販売OKとのことでした。


在庫があったとは言え、球のばらつきはチェックしておきたいです。アポロ電子では事前に電流値測定を行っており、近しい球同士でペアを組ませて売っています。念のため、再度、電流値を測定していただき、問題なきことを確認しました。同店のHPは「音を聞いて真空管を選べる 」とも謳っています。もっともオーディオレベルでの試聴ではありませんし、こちらは藁をも掴む立場ですから、電流値測定OKの時点で、買いです。連休明け早々に新EL34に切り替え、何とかケニティーさんとのオフ会に間に合わせることができました。


その後、保護回路は働かなくなりました。バイアスの状況を確認しながら、ならし運転進行中です。真空管に限った話ではありませんが、「備えあれば憂いなし」です。資金に余裕が出たら予備品も購入したいところです。スヴェトラーナの新入荷が読めませんが、アポロ電子以外での調達も考えておく必要があります。これを機に、エレクトロハーモニックス製(やはりロシアで作ってます)、あるいはビンテージ品も視野に入れたいと思いました。オーディオにも戦争の影響が及んでいることを実感した次第です。
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ハンコックさん宅訪問

2023-06-04 10:15:56 | オフ会
ケニティーさんとのオフ会の翌日、ハンコックさんのお宅を訪問しました。ご一緒はBOさんでした。ハンコックさんのお宅は、昨年9月以来となります。その際は、パワーアンプで異音が発生し、途中で終了となってしまいました。オフ会前の美味しいラーメンが記憶に新しいです。その前となると、2021年の11月でした。自宅からSU-2を持ち込んだ企画でした。私の中でコロナ禍は3年一括りになっていて、時期とイベントの記憶が曖昧になりがちです。BOさんは2度目の訪問です。前回は2018年の真夏のオフ会でした。

最寄駅にはかなり早くに着いたのですが、既にハンコックさんも来られていました。時間通りにBOさんが合流し、早速お宅へ向かいました。最近訪問されたチューバホーンさんから、「訪問するなら早めに」と伺ってました。何とか5月に間に合ってよかったです。前回のトラブルの後、アナログを中心にSD05で鳴らしていたと聞いていました。今回、パワーアンプに変更がありました。修理ではなく入れ替えという選択をされました。アナログ、SPのセッティング含めて、ハンコックさん、かなり力が入っていたご様子でした。


ある意味、本日の主役です。米国スペクトラルのパワーアンプDMA-80 です。オーディオ交流の輪の中で、入手ルートを見つけられました。スペクトラルのアンプは過去に、にらさんhimaさんのお宅で聴いたことがあります。いずれもSPはディナウディオでした。鳴らしにくいSPをしっかり御するアンプというイメージがあります。ウィルソンオーディオのSPにも鳴らしにくいイメージがありますが、果たして効果はどうでしょうか?ニアフィールドリスニングで、パワーアンプを手前に置くレイアウトは、拙宅も同様です。


交差法にセッティングされたWatt3+Puppy2です。以前訪問した際は、Watt3だけ、つまり2WAYスピーカーで鳴らしたこともありました。それでも低音が出ていた印象はあります。今回はスペクトラルのアンプ導入もあって、本来のWatt3+Puppy2での再生となりました。


ハンコックさんは、数少ないオラクル仲間でもあります。先日、久しぶりに訪問したtaoさんもそうです。3人が使用している世代は異なりますが、洗練されたフォルムは共通しています。6月中にお二人にお越しいただく予定もあります。今年はオラクルつながりの年となりそうです。


アナログの上流部です。オルトフォンMC-20からフェーズテックの昇圧トランスT-3、ウエスギのフォノイコライザーを経由して、レビンソンのプリアンプへ繋ぎます。この辺りは不動のラインナップになっているようです。


アナログ、デジタルの順で聴かせていただきました。ハンコックさんと言えば、JAZZ、そしてレコード収集のイメージが強いです。ウィントン・ケリー、ジュニア・マンス、チェット・ベイカーと私でも知っているようなビッグネームのレコードを聴く機会はそうそうありません。いきなりウィントン・ケリーの鮮度の高いピアノに参りました。アナログのセッティングをゼロベースで追い込んだそうですが、音が語っていました。アナログで聴く「恋人よ」も、繊細さと押し出し感のバランスが心地よかったです。


アナログが良かったので、ずっと聴くのもありだなとも思いました。ただし、この日のメインはデジタルです。デジタルは過去にラズパイ、ノートPC、ネットワークプレイヤーで聴かせていただきました。今回はシンプルにノートPC上のfoobar2000での再生でした。ノートPCとOさん製作のDACはUSB直結で、2021年11月のオフ会と同じ構成です。事前のメールで、「クラシックの音源を持ってきてください」とありました。ハンコックさんの主戦場のJAZZではなく、かなり自信を持たれていたように思います。

ドヴォルザークの「新世界より」をオフ会で聴くのはいつ以来でしょう?しかも「家路」(第2楽章)はあまり記憶がありません。楽器の音色が良く出ていましたし、音場の広がりも十分でした。ハンコックさんの定番のモーツアルトのヴァイオリンソナタ集(内田光子)は、柔らかく優しい音に浸りました。一方で、BOさんが持ち込まれたストラヴィンスキー「春の祭典」は、強烈な低音を含んでいましたが、最後まで破綻しませんでした。確かに低音~高音までバランスのとれた、クラシック再生が美味しいセッティングとなっていました。


JAZZもいくつかデジタルで再生いただきました。クリフォード・ブラウン、サラ・ヴォーンは嘗てのオフ会で何度か聴いています。大御所の名演や歌唱が沁みました。低音の輪郭が、以前よりもくっきりしている印象です。一方で量感もあり、音楽をしっかり下支えしていました。私とBOさんが持ち込んだ、それぞれのピアノトリオ(デイヴ・マッケンナ、アンドレ・プレヴィン)は、年代も録音も異なりますが、それぞれの特徴を伝えていました。ちなみにデイヴ・マッケンナは1958年のシンプルな録音ですが、音が迸ってました。


こちらは私向けに選曲いただきました。このシリーズ、いくつか所有していますがⅡは持っていません。「哀愁のカサブランカ」懐かしいですね。当方のリファレンス、太田裕美「ピッツァハウス22時」も、バランスよくまとまってました。クラシックとJAZZが鳴れば、そうなります。



全般を通じて印象に残ったのは、低音の存在感です。SPの制動の話だと思いますが、手強いPuppy2がハキハキと鳴っていました。一方で、低音の量感もあるので、総じて厚みのあるサウンドでした。高音もいい、と言う話がBOさんからありました。「低音が良くなると高音も良くなる」とはしばしばオーディオで語られますが、加えて、アナログの調整、ディスリートDACの導入等、これまでの経験、取り組みの成果もあると感じました。ともあれ、ジャンルを問わず音楽を楽しめる状況となり、良かったですね。

オフ会終了後、駅近くの中華料理店で軽く感想戦を持ちました。18時過ぎでしたが、既に多くのお客さんで賑わってました。炒め物を皆さんでシェアし、ビール片手に談義を続けました。気合を入れられていたハンコックさん、無事オフ会が終了してホッとされた様子でした。ハンコックさん、BOさん、楽しい1日をありがとうございました。
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