疲れると、やるっ! と意気込む前向きな心が萎(な)えていく。それでも、やるっ! と意気込んで、人は頑張り続ける訳である。頑張った結果がどうであろうと、やるっ! とアグレッシブに生きる・・このことが人生では大事なような気がする。偉(えら)そうに言ってはいるが、私自身も大したことはない。^^ それでも、某超有名ロック歌手さんのように、♪IT’S UP TO YOU♪気分で日々、頑張り続けているのである。^^
とある会社のとある課内である。上司に叱(しか)られているのは今年、エリート社員として採用された有望(ゆうぼう)だった。
「ったくっ! 人事はいったい、なにを見とるんだっ! 君を見とるだけで疲れるよっ! いい加減にしてくれんかっ! 君が幹部候補で採用されたとは、私にはとても思えんっ!」
「あの…僕、そんなにひどいんでしょうか?」
「ひどいもなにもっ! …それよか君、僕じゃないよっ! 私っ! 私と言いなさいっ、私とっ!!」
「はい…」
「まあ、やるっ! と意気込んでくれていることは認めるが…。君の場合、問題はその意気込みの方向だな」
「と、言いますとっ?」
「言いますとっ? じゃないだろっ! 申されますとっ! だっ!!」
「はい、申されますとっ?」
「課の中や机掃除はメンテナンスのおばさんに任(まか)せなさいっ!」
「やっちゃいけないんですかっ!」
「やっちゃいけない、とは言っとらんだろっ! ただ、やるっ! のは、仕事にしなさいっ、仕事にっ!」
「はい…」
青菜に塩のように萎えるでなく、有望は自分のデスクへ戻(もど)り、机の上の掃除を、ふたたび積極的にやり始めた。^^
やるっ! と意気込むのはいいが、方向を間違えれば他人が疲れるから、疲れさせない方向で意気込みまょう!^^
完