疲れる条件を考えてみよう。まあ、人やそのときの場合によって違う・・と言ってしまえばそれまでだが、細かな違いはともかくとして、要は大まかな概略の違いである。^^
とある官庁の残業風景である。例年ならこんなこともないな…と溜め息混じりに書類用の文書をPCで入力する男がいる。元居である。
「ああ…なんとかならないのかなぁ、ウイルスは…」
そこへ同じ課の関川が後ろから声をかけた。
「お疲れっ! 俺、終ったから先に出るよっ! いつもの店で待ってる!」
「ああ…」
元居はPC画面に目を落としたまま、力なく返した。そして、『そういや、あの店も今週一杯で休業か…』と、ふと思った。『どうも最近は悪いことばかりが浮かぶ』と、続けて元居は思った。そのとき予期せぬいい発想が元居の脳裏に巡った。
『おお、そうだっ! 休業するはずだったが続けると、親父、前向きに言ってたな…』
元居は一端、下げたテンションを回復させた。というのは、店の運転資金の貸し出し条件が緩和(かんわ)されたからだった。元居の残業による疲れる条件は消え去ったのである。
条件がよくなれば、人は疲れることから解放されるのである。^^
完