謎が謎を呼べば疲れる。なぜかといえば、あ~~でもない、こう~~でもない…と推理を巡らし考えるからである。要は気疲れだ。^^ 考えなければ疲れることもないのだが、得てしてその方面の推理ドラマがお好きな方はお考えになり、結果としてお疲れになる・・といった寸法だ。^^
とある普通家庭である。テレビがガナっている。テレビ前の座椅子を見れば、その家のご主人がテレビ画面に映る推理ドラマに見入っていた。するとそのとき、CMが急に流れ始め、ドラマは寸断されてしまったのである。丁度、ドラマが盛り上がる最高潮のクライマックスである。
「チェッ! いいところなのになっ!」
開口一番、ご主人は思いっきり愚痴った。そこへこの家の奥様が、現れなくてもいいのに現れた。^^ 奥さんとフツゥ~に書きたいところだが、山の神的な雰囲気からして奥様なのである。^^
「早く入って下さらないっ!!」
「んっ!? どこへ?」
「どこへって…もう!! お風呂に決まってるでしょ! ったくっ!!」
「あっ! そうそう…。そうだったな、すまんっ!」
「すまんはいいからっ! 私が入れないでしょ!! ったくっ!!」
「ああ、分かった…。今、謎が謎を呼ぶいいとこなのになぁ~~」
「あれだけ言ってたのに、あなたが忘れてた方が謎が謎を呼ぶわよっ! ったくっ!!」
奥様は、ったくっ! を三度も繰り返した。
謎が謎を呼ぶとき、他のことは忘れるようである。^^
完