自然体で暮らせば疲れることはない。^^ 世間は人の自然体を壊(こわ)そうと虎視眈々(こしたんたん)とつけ狙っているのだ。^^ それはウイルスのように近づき、人を拘(こだわ)らせるという手法を使う場合が多い。^^
とあるラーメン店の店前である。人気があり、多くの人が長蛇(ちょうだ)の列をなしている。
その最後尾(さいこうび)に自然体で並びながら本を呼んでいる男がいる。
「あなた、よくこんな人込みの中で本が読めますねっ!」
呆(あき)れ返ったように、その男に近づき、後ろへ並んだ男が思わず声をかけた。
「えっ!? ああ…わたしゃ全然、気にならんのですわっ! ははは…」
「気にならない? ああ、そうなんですか…。どれくらい並んでおられるんです?」
「んっ!? ああ、そうですね。かれこれ半時間くらいですかな、ははは…」
本を読む男は腕を見ながら、自然体でそう言った。
「あと、どれくらいかかります?」
「店に入れるまで、ですか?」
「はいっ!」
「そうですね、いつもは、あと半時間ってとこですかな、はははは…」
本を読む男は、[は]を一つ多めに、自然体で笑った。最後尾の男は、『こりゃ、疲れる…』
と思えたのか、自然体を捨て、他の店へと立ち去った。
自然体で待つのが、疲れることから逃(のが)れられる最良の道なのである。^^
完