(67)で発明をタイトルに短編を書いたが、浮かんだアイデアがいい新しい発想だということである。ならば、悪い新しい発想なら、発暗と呼ぶのか? といえば、どなたもそのような言葉は聞いたことがない、と言われるだろう。私だって聞いたことがない。だが現実には、この発暗する人間によって、警察の方々が手古摺(てこず)る犯罪が発生している訳である。そして、やがては時効・・という名のもとに迷宮入りする訳だ。二度も起きた三億円事件がその一例だ。まあ、そんな訳でもないが、今日は現実には使用されない発暗をタイトルにしたお話を書きたいと思う。^^
とあるハローワークである。一人の男が職員と対峙して話している。
「いやぁ~そうは言われますが、今どきそんな虫のいい勤め口はありませんよっ!」
「そこを探すのが、あんたの仕事だろっ!」
しばらくは押し問答のような会話が続いたが、ふと、男に発暗が浮かんだ。
「どうだろ!? あんたも困るだろうから、適当に紹介して俺がそこへ出向いてすぐ断るっていうのは?」
「それじゃ私が共犯じゃないですかっ! それはダメですよ、あなたっ!」
「まあまあまあ…。その間に見つけておいてくれよっ! なっ! 頼むからっ!」
「…そうですねぇ~。それじゃ今回だけですよっ! もう次は、絶対にダメですからっ!」
職員は仕方がないか…と見切りをつけ、適当な会社を男に紹介した。男にすれば、今回も失業保険が支給され御(おん)の字だった。
「ははは…分かってますよ、職員さんっ!」
男は明るく笑った。職員は暗く手続きを進めた。
このように、発暗は小さなところで進行しているのである。皆さん! 暗い発暗[ポイ捨てetc.]は絶対にダメですっ! 明るく発明しましょう!^^
完