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日本人の脳は世界一「頑固」

2018年12月22日 | 日本

以下はオーストラリアへの移住経験があり、「日本を捨てて、日本を知った」の著者・林秀彦さんのお話です。林さんは脚本家で、祖母(林はな)NHKドラマ「おはなはん」のモデルでもありました。

 

―――

日本人は世界一、頑固な民族である。

なぜ頑固かといえば、それは性格的な欠点から生まれたものでなく、歴史的に純粋培養されたあまり、その脳ミソが容易に応用しなくなっているからである。

 

もっと厳密にいえば、左脳の部分は柔軟に働くのだが、右脳の部分がまったくコリ固まっていて、実感と直観以外の価値を受け付けないのである。

 

左脳はロゴス脳(知識)であり、右脳はパトス脳(感性)なのだが、日本人の左脳は、白人の知識をいくらでも取り入れることができ、時には改善することも特異なほどに柔軟である一方、感性や感覚や直観の右脳は、どこまでいっても日本人のままでしかいられない。

 

そのうえ、日本人の感性や情操は、他の世界のどの民族から見ても「異常」としか映らないほどに、特殊なものである。

 

たとえば、アングロサクソンにとって、同じ東洋のモンゴロイドの流れを汲んでいても、日本人より中国人のほうがずっと理解しやすいに違いない。中国人の右脳がわれわれほど「異常」でないからである。だから、両者は努力すれば、共通な実感体験も持ちえるだろう。

 

また仮に、たとえば、今はまだ違いがありすぎるゲルマンとラテンの両民族の心理的な実感過程が同一なものになる日も、未来にあるかもしれない。しかし、日本人の実感体験と、白人や、その他のあらゆる地球上の民族の実感体験が、心理的に同じになることはありえない。

 

これは努力などの問題とはまったく関係のない、単純に脳の構造の根本的な違いから結論される事実なのである。「生まれつき」であり、変えられないもの、である。その意味で、日本人は世界一、頑固な民族なのである。このことを証明してくださったのが、角田博士の『日本人の脳』(大修館書店)という本である。

 

東京医科歯科大学の名誉教授・角田忠信博士が、長年の科学的な実験の結果明らかにした日本人の脳の世界に類を見ない特殊性は、まさにノーベル賞にも匹敵する発見(あんな汚らわしい白人の賞は差し上げたくもないが)である。

 

この偉大な研究の多岐にわたる成果の一つは、結局、日本語という言語の発生過程を含め、いかに日本人の歴史的な経験、体験が、世界に類を見ない特殊なものであったかということと同じことを意味する。

 

ということは、また、同時に、日本人の持つ価値観が、いかに世界には通用しにくい特殊なものであるか、ということをも意味する。さらにまた推論していえば、いかに世界の価値観が日本人にとって理解しにくいものであるか、ということにもなる。

 

角田博士の宝石のような研究成果を、ここで短く要約することは、冒涜にも近い。

ぜひ前記の著書や、その続編、また英語をはじめ数カ国語に翻訳されている論文を個々にお読みいただきたいと願う。いい悪いの話ではない。日本人はポリネシアの人々の脳といくらかの類似点はあるものの、他の世界のどの民族の脳ともまったく違う脳を持っているという発見である。

 

この事実が、どれほどの多くの私の謎を解き明かしてくれたことか!

 

どうして日本人はこれほど世界の人々と違うのか、どうしてこれほど多くの日本語が、いかなる外国語にも翻訳不可能なのか、といった私の長年の実体験からの疑問を、文字どおり目から鱗が落ちる思いで、一挙に氷解してくださったのである。

 

そういう「頑固」な脳を持った日本人は、だからこそ、もうここしばらくの間(たぶんあと百年ほどの間)アチラ様に歩調を合わせたうえで自国を立て直していかなくてはならない以上、よほど心してかからねばならないのである。

 

若者には、死に物狂いで、勉強してほしい。ちょうど明治の青年たちが、死に物狂いで西洋の学問を摂取したように。ただし、彼らのように左脳の知識摂取だけを優先する勉強ではない。

 

実体験と実感と直観力を増やす右脳の勉強である。

世界と日本を実感で比較し、そのうえで、世界を洞察しリードする新しい価値観、すなわち新しい文明を確立するための勉強である。たとえば、どんな勉強か・・・・・?

 

一つの例として、世界の愛国心とはどのようなものなのか、について学ぶ必要があると思うのです。

 

<愛国心とは何か>へ続く

 

---owari---

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