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2021年新年を迎えて(後編)

2021年01月02日 | 日本
(日本の尖閣諸島に対する防衛問題)
世界戦争進行中、中国は「海警」で尖閣を取りに来る、その時に備えて日本はどうすべきか。
中国の王毅(おうき)国務委員兼外相が先月に来日し、茂木敏充外相や菅義偉首相と会談した。
尖閣問題について王氏は、「真相が分かっていない日本の漁船が釣魚島(尖閣の中国名)周辺の敏感な水域に入る事態が発生している」と主張。中国側としては「やむを得ず、必要な反応をしなければならない」と述べ、「引き続き自国の主権を守っていく」といった"居直強盗的"な発言をした。これに対し茂木外相がその場で反論しなかったため、各方面から批判が噴出した。

中国の「現状変更」の基本スタイルは「だるまさんが転んだ」方式です。後ろを向いて目を瞑(つむ)っている間に、猛ダッシュをかけてきます。振り返って睨(にら)めば、ピタッと止まりますが、決して後退しません。獲得した権益を決して手放さないのが中国なのです。

バイデン政権の誕生を見越した中国は、早々と猛ダッシュモードに入りそうな気配ですが、菅政権は、経済的な利益や今年のオリンピック開催のために、中国を刺激したくないと考えており、それがかえって中国に「猛ダッシュ」をさせ、日本の安全保障を脅かしかねないやり方を取っているように見えます。

問題なのは、2020年11月に明らかになった「海警法草案」の中身です。ここには、「中国が自国の管轄海域と主張する海域において、海警の命令に従わない外国の軍用船舶や非商業目的の政府船舶に対して『強制措置』を講じる権利がある」と明記されています。

つまり、日本の海上保安庁の巡視船はもとより、海上自衛隊の艦艇に対しても、「強制措置」を取る権利があると宣言したのです。要するに、この法案が成立した場合、海上保安庁の巡視船を攻撃できるようになるということです。

海上保安庁などの政府公船や、海上自衛隊などの軍用船舶は、国家の主権を表しますから、国際法上は沿岸国の法執行に対する「免除の特権」があります。それにもかかわらず、「命令」し「強制措置を講じる」とした、この法律の草案は、二重の意味で国際法違反です。

日本にとって重大な問題は、強制措置として中国が武器使用を認めるとしたことです。海警法44条には、「携行武器の他にも、艦艇や対空武器を使用することも可能」とあります。
つまり海警は、速射砲だけでなく、場合によってはミサイルを搭載・使用する恐れもあるということです。45条には、「警告するには遅すぎる場合や、警告がより深刻な有害な結果につながる可能性がある場合は、武器の直接使用を許可する」とありますので、警告なしで発砲してくることもあり得ます。

この法改正は何を示しているのでしょうか? 私には、中国は海軍ではなく、海警だけで事実上の戦争を仕掛け、尖閣を占領する意志があるように見えてなりません。海警を使えば、自衛隊は法律上、武力行使がたいへん難しくなりますし、その場合は米軍も共同防衛ができないからです。

中国の海警法を危惧し、きっちりと言うべきことは言うスタンスを取ることが大切です。
冒頭の外相会談での「尖閣は中国の主権下にある」という王氏の主張に対し、茂木氏は残念なことに反論しませんでした。日本側が反論しないことを見越した上で、王氏はわざと尖閣問題を持ち出し、海警法を将来的に適用する根拠にするという、あざとい意図を見抜けなかったのです。

今からでも遅くありません。日本は中国の海警法を厳しく批判すべきです。ましてや、尖閣周辺海域などの日本の領域で適用することは、明白な「主権の侵害」であり、自衛隊が自衛措置を取り得る事態になると警告し、声明を出すことが必要です。それだけでも抑止力を高められます。

そして、海警が行動に出る場合は、組織的かつ計画的なもので、武力攻撃事態であると法解釈を行い、自衛隊が反撃できるよう措置を講じなければなりません。さらに尖閣諸島に、自衛官を配置すべきです。民間人は、人質に取られる可能性もあるからです。

バイデン政権誕生なら、米軍の介入はまずないと見て、中国が動き出す恐れが出てきました。尖閣有事はすぐそこに迫っています。一刻も早い対応が求められています。

(新時代への胎動:黎明の時代)
2020年からの10年間は歴史の大転換点にあると見ています。
みなさんは「時代」が見えるでしょうか。20世紀末にはいろいろなことが言われました。これから「平和と安定の時代」が来るのか、それとも「戦乱の時代」が来るのか、未来社会を見る目は大きく二つに分かれました。そして、そのどちらにも確たる証拠はなく、さまざまな議論が横行しました。

しかし、「湾岸戦争以来、世界の情勢は、決して平和と安定の時代には向かっていない」と私は述べてきました。
世界はこれからも動きます。みなさんは「振り子理論」というものをご存知でしょう。
振り子というものは、右の極に揺れたら、次は必ず左の極に揺れます。これが歴史の法則でもあります。一方の極に揺れた場合は、必ず戻しが入ります。

平和と安定の時代は、すでにもう一方の極までの戻しに入りました。しばらくは群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)の時代へと入って来たのです。その時代的混乱は、むこう10年、場合によってはそれ以上続いていくと思われます。

それは、混乱のための混乱ではありません。過去、米ソの二大強国が世界をリードしていましたが、その役割が終わり、両国に追随してきた各国が、自分たちの自己実現を求めて活動を開始するときに、さまざまな混乱が起きてくるということです。

それは単なる悪ではなく、新しい時代への胎動でもあります。みなさんは、新しい時代を迎えて変わっていく時代の曲がり角に立って、時代の証人として歴史を見ているのです。

これからは、若い人たちにとっては、ひじょうに心躍(おど)る現象が現われてくるでしょう。古い価値観が滅び去り、新しきものが出てきます。どのような新しき価値観が世界を風靡(ふうび)するかは、まだ充分にはわかっていませんが、これから来る時代を指導する原理も、指導する人びとも、指導する国家も、現在は揺籃期(ようらんき)、産卵期にあるのです。同時代に、その芽はあるのです。その卵はあるのです。

現時点で、みなさんが、「これが世界をリードする考え方なのだ、国家なのだ、人なのだ」と言うことになる存在は、すでにさまざまなところうで活動を行っています。それをいち早く見抜くことこそ、みなさんが今後、新しい時代を先駆けていくために、ぜひとも必要な考え方でもあるのです。

---owari---
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