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ロックバンドROGUEの奥野敦士さん

2015年12月25日 | 音楽

一昨年の夏に開催された東日本大震災の被災者を応援する音楽フェスティバル。 その中で、Mr.Childrenの桜井和寿さんが、あるバンドについて熱く語った。 それは、あの氷室京介さんも認める伝説のロックバンドROGUE(ローグ)のことだった。

ROGUEの代表曲「終わりのない歌」は28年前、ROGUEのボーカル、奥野敦士さんが作詞作曲した歌。

そんな彼は今、群馬県にある障害者支援施設で重度の障害者として暮らしている。 正常に動くのは胸から上の部分だけ。 肘から先の手も自由がきかない。食事すら介護を要する体だ。

彼は一体なぜこんな障害を負ってしまったのか? そして周囲を驚かせた奥野さんの奇跡の復活とは?。

話は26年前にさかのぼる。
1989年、日本武道館で行われた単独ライブで8000人を動員、伝説のバンドとなった。 しかし・・・翌年、突如バンドは解散した。

奥野はROGUEのメンバーであり、友人でもある香川の反対にもかかわらず、自分の意志で解散させたのです。

ソロ活動をしたい奥野であったが、時がたつにつれ仕事も少なくなり、厳しい生活を続けていた。その時に、香川からROGUEを再結成しないかと持ちかけられてその準備を進めていたが、その時に仕事をしていた解体業の作業現場で屋根から滑り落ちて、骨髄損傷の重体となったのです。

厳しいリハビリが始まった。事故から2か月が過ぎた頃、奥野は一人、屋上に出た。 歌が歌えるかを確認するために。 だが・・・日常会話はできる。しかし、歌を歌うための腹式呼吸ができなくなっていた。

奥野は再結成ができなくなってしまい、香川に対して申し訳ない想いで一杯だった。 自責の念と、歌えない現実・・・絶望のドン底に陥っていた時だった。しかし、施設にカラオケルームがあることに気づいた。

介護士にお腹を押してもらったら、声が出た! 車椅子の安全ベルトをきつく締めてもらうと、お腹を押してもらった時と同じように声が出せたのだ! お腹に圧力をかければ、腹式呼吸と同じ状態になり声がでるかもしれない。 それは、歌いたいという執念からひらめいた奥野のアイディアであった!!

以来、毎日声のリハビリを繰り返した。 感覚のない腹筋を鍛え、腹から声を出すために。
歌のリハビリを開始してから1年半が過ぎた頃、奥野は自分の歌っている姿を撮影した。
曲は、ルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」。

映像をインターネットに公開すると、歌声を聴いた友人達から驚きの声が寄せられた。だが、香川は決して見なかったという。香川は、ハンディキャップのある人が頑張っていると見えてしまうのが怖かったのだ。 ファンを熱狂させたあの歌声を知るからこそ、同情したくなかった。

そして事故から4年後の夏、運命を変える出来事が・・・。 Mr.Childrenの桜井和寿さんが車椅子で歌う奥野について熱く語ったのだ!

このライブを偶然 目にした人物こそ、香川だった。 会場で流された映像で初めて奥野の歌声を聞いた香川はこの時「何だ歌えんじゃん」と思ったという。

香川は奥野の元へと向かった。 ある言葉を伝えるために・・・「奥野 ROGUEを再結成しないか」
奥野は、嬉しさと共にできるかどうか不安も感じた。 だが、もう香川の言葉を裏切りたくなかったという。

23年ぶりに香川が待つステージに奥野敦士が戻って来た! ROGUE、ここに再結成!!
リハビリを続けた成果でこの日はステージで7曲を力強く歌い上げたのでした。
最後はもちろん、ファンが待望する「終わりのない歌」。かけがいのない絆がここに復活した!!

彼がこのメンバー再結成前にネット動画に投稿した歌「この素晴らしき世界」は世間の多くの人びとの賞賛を得たのでした。このような苦しい状況でも、人は輝けることを示した奥野さんに感謝と人生に乾杯を!

---owari---

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