「人間の幸福とは」ということについて述べてみたいと思います。
私はみなさんに、「人間の幸福とは、やはり人と人とのあいだに生まれるものですよ」と言っておきたいのです。
人間は、自分一人でいたならば、決して幸福は生まれてこないのです。
一人きりでいれば、もちろん、不幸も出てこないかもしれませんが、少なくとも、幸福は絶対に味わうことができないのです。南海の孤島に一人住んでいて、幸福感を味わうことは難しいのです。
やはり、他の人がいて、共に語り合うことができ、共に手を握り合うことができ、共に愛し合うことができ、共に仕事をすることができ、共に生活することができ、共に学ぶことができる、そうしたことによって、うれしく感じるのです。幸福に感じるのです。
どうか、自分を、あまり孤立した、孤絶した存在だと思わないでください。こうした大きな世界のなかに生かされている個であることを喜びましょう。
もし、みなさんが、何十メートルもある、あるいは何百メートルもあるセコイヤの大木のような、孤独な一人であるとしたら、どうでしょうか。みなさんは幸せでしょうか。
ときおり、群れのなかの個であることを悲しく思い、さみしく思うこともあるでしょうが、そうした個であることによって、多くのひとたちと共に歩み、共に生きることができるのではないでしょうか。
人間の幸福とは、そうした個であるということに起因しているのです。「個であると共に、群れのなかに生きている」ということに起因しているのです。
幸福とは、人と人とのあいだにあるものなのです。
こうしてみると、幸福とは、なんと愛によく似たものでしょうか。愛とは、人と人とのあいだにあるものです。この愛と幸福は、なんとよく似たものでしょうか。
幸福は、やはり、愛から生まれていくものでしょう。私はそのように思います。
この大宇宙のなかに太陽系というものがあり、太陽系のなかに地球という星があり、その地球という星に、不思議なことに七十億人もの人間が住んでいるのです。そして、同時代の同期生として生きているのです。
ああ、なんと素晴らしいことでしょうか。
しかも、その多くの人たちと、共に生活ができるのです。共に愛し合うことができるのです。相手を喜ばすことができるのです。
こうした世界のなかに生きているということが、どれほど素晴らしいことであるかを考えていただきたいのです。
何もなくてもよいではないですか。
ただ愛し合う人間関係のなかに生きていけるということが、どれほど幸福であるかを、一度、考えてみてください。
『幸福とは、人と人とのあいだにあるもの』(仏法真理)
---owari---
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