今日も国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。
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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。
(@レポートの紹介がありますが、依頼されたわけではありません。)
アメリカ大統領選挙は、
バイデン 対 トランプ
ではなくなり、
ハリス 対 トランプ
になりました。
トランプ暗殺未遂事件の後、「銃撃に負けない強いトランプ」「ゼレンスキーをプーチンと言い間違える弱いバイデン」という感じになっていた。
それで、「もしトラはなく、確トラだ!」と言う人もでてきました。
しかし、バイデンが撤退し、比較的若くて元気なハリスさんが出てきた。
討論会大敗北・前バイデンを支持していた人たちは、ほぼ全員ハリスさんを支持するでしょう。
そしてアメリカは、
中絶に賛成、反対?
移民に賛成、反対?
銃規制に賛成、反対?
LGBTに賛成、反対?
で真っ二つに分断されている。
それで、ハリスがトランプに勝てる可能性は、「だいだい50%ぐらい」なのだという話をメルマガでしました。
さて、ハリスが勝つかトランプが勝つかで大きく変わりそうなのが、「対ウクライナ政策」です。
ハリスが勝てば、バイデン路線を引き継ぎ、ウクライナへの支援を続けていくことでしょう。
一方、トランプが勝てば、ウクライナ支援には消極的になるでしょう。
トランプは、「自分が勝てば1日でウクライナ戦争を終わらせる」と豪語しています。
どうやって?
トランプ自身は明らかにしていませんが、彼と会談したハンガリーのオルバン首相が、こんなことを言っています。
『産経』3月12日付。
ロイター通信によると、米南部フロリダ州でトランプ前大統領と8日に会談したハンガリーのオルバン首相は11日までに、トランプ氏が大統領に返り咲けば、ウクライナ支援で「一銭も払わない。だから戦争は終わる」と述べた。
オルバン氏は「ウクライナが自力で立ち続けられないのは明らかだ」とし「米国が金を出さなければ、欧州だけでこの戦争を経済的に支えることはできない」と語った。(共同)
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これ、オルバンさんが、トランプの心の中を想像して勝手に発言したのでしょうか?
その可能性もありますが、会談中トランプがオルバンさんに「それらしきこと」を言った可能性の方が高いでしょう。
そうでなければ、オルバン発言後、トランプは「そんなことは言っていない」と声明を出すはずです。
しかし、そういう発言が出ていないのは、少なくとも「オルバン発言を黙認している」ということでしょう。
それに、共和党が過半数を占めるアメリカ下院のせいで、アメリカのウクライナ支援は半年間止まっていました。
トランプにとってウクライナは「どうでもいい存在」であり、「プーチンファースト」なのは明らかです。
というわけで、トランプが勝てば、ウクライナ支援は全くなくなるか、大幅に削減される可能性が高いのです。
ゼレンスキーは、ハリスの勝利を望んでいることでしょう。
一方、ハリスが勝ってもトランプが勝っても、変わらなさそうなのが「対中政策」です。
トランプ政権がはじめた「米中覇権戦争」を、バイデン政権は継承しました。
だから、ハリスが勝っても、トランプが勝っても、「米中覇権戦争」は続いていきます。
ところで、日本、日本企業は、中国とどうつきあっていくべきなのでしょうか?
先日、こんなニュースがありました。
『NHK NEWS WEB』7月23日付。
〈日本製鉄は中国の鉄鋼メーカー「宝山鋼鉄」との合弁事業を解消し、事業から撤退すると発表しました。
1970年代の技術支援から中国の鉄鋼産業の近代化に関わってきましたが、半世紀にわたる関係は大きな節目を迎えることになります。
日本製鉄は、世界最大手の鉄鋼メーカーグループ「中国宝武鋼鉄」の傘下にある「宝山鋼鉄」との間で2004年に合弁会社を設立し、自動車向け鋼板の製造や販売を行ってきました。
この合弁事業の契約期間が来月に期限を迎え、日本製鉄は、契約の更新を見送り、事業から撤退することを決めました。〉
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1970年代初めから50年以上中国に関わってきた日本製鉄が、中国からの撤退を決めました。
他の日本企業は、どう動くべきなのでしょうか?
これに関連して、RPE読者の中里先生が、説得力のあるレポートを書かれています。
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ちなみに私は、中里先生は「天才だろう」と常々思っています。↓
---owari---
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