皆さんは、オキシトシンという脳内ホルモンをご存知でしょうか。
オキシトシンは別名、幸福ホルモンとか恋愛ホルモンと呼ばれています。
オキシトシンには心を癒す効果があるといわれているのです。
今日は、近年「幸福ホルモン」として注目されている「オキシトシン」についてのお話です。
このお話は、「PHP文庫『脳の疲れ』がとれる生活術(有田秀穂・東邦大学医学部教授)」より抜粋させて頂きました。
オキシトシン (Oxytocin) は下垂体後葉から分泌される脳内ホルモンです。(by Wikipedia)
オキシトシンは哺乳類だけが持っているホルモンで、心が癒される、幸せな気分になるという効果があります。その他にも、“人への親近感や信頼感が増し”、“血圧の上昇を防いで心臓の働きをよくする”ことも確認されています。
このオキシトシンは、子供や愛するパートナーとのスキンシップで活発に分泌され、お互いを信頼して幸せな気分にするというのです。また、大好きなペットや自分の好きな動物をなでることでも同様の効果が得られます。
子供との「スキンシップ」の中でも特に「だっこ」と「おんぶ」の両方の重要性も説明されています。母子の「だっこ」は、子どもと密接したコミュニケーションがとれることで、子どもは自分が受け入れられ大切にされていると感じられ、情緒を安定させる効果があるというのです。
オキシトシンは40年以上前から、女性が分泌するホルモンで、2つの役割があることはすでに、わかっていました。
第一は出産するときに子宮を収縮させて、出産を促すことです。よく陣痛を促進させるために点滴に使われているのがオキシトシンです。
もう1つは、出産したあとに、母乳を分泌させます。つまり、母乳を出すように促すものです。赤ちゃんがお母さんの乳首を吸うと、それが誘因になり、母親の脳からオキシトシンが分泌され、母乳の合成と分泌を促進させるのです。
母親が出産し、赤ん坊を育てることに直結したホルモンとして、オキシトシンは昔からよく知られていました。
しかし、このオキシトシンの研究がこの10年くらいで進んで、オキシトシンは母親だけが出すものではなく、母親になっていない女性も、また男性も、年齢も関係なく、分泌されることがわかってきたのです。
とくに最近になってオキシトシンが母乳を出すように促すだけでなく、母性愛と関係することがわかってきました。さらに信頼や男女の愛情と関係して分泌されるということもわかってきたのです。
母性愛という心の状態だけでなく、信頼という心の状態、男女の愛情という心の状態をつくり出すということで、急激にこのオキシトシンというホルモンの役割が注目されはじめたのです。
近年、注目されているオキシトシンの効果をまとめると、次のようになります。
1. 人への親近感、信頼感が増す。
2.ストレスが消えて幸福感を得られる。
3. 血圧の上昇を抑える。
4.心臓の機能をよくする。
5.長寿になる。
オキシトシンが脳にあるセロトニン神経に活発に働くと、脳の状態が安定し、心に平穏をもたらします。また、自律神経を整えてくれる作用もあるため、「癒し」を感じることができるというのです。
もともとこのホルモンの少ない人がうつ病の人と言われているのです。うつ病の人にこのオキシトシンを与えると、引きこもりの人が外に出ていくようになり、仕事も始められるといいます。
このオキシトシンが老化防止にも効果があると言われ、今盛んに研究されています。
では、具体的にオキシトシンを増やすには、どうすればいいのでしょうか?
「グルーミング」と呼ばれる行動をすることです。グルーミングとは、母子の愛情や男女間の愛情の交流だけでなく、仲間と飲んだり食べたりしながら話すこともグルーミングになります。
簡単に言うと、人との触れ合いです。ことにメールだけのコミュニケーションではなく、人と直接会ってコミュニケーションをとるというフェース・トゥ・フェースのコミュニケーションが重要です。
また、恋人同士であるならば、手と手をつないだり、触れ合いのスキンシップが大切だということなのです。
人と人の結びつき、信頼こそが、脳の疲れを癒してくれるのだと、脳科学の立場からも検証されはじめたのです。
また、他人に親切にする行動は、オキシトシンの分泌がともなうので、遠慮せずに大いに人に親切にしてください。
「癒されたい」、「癒しがほしい」という人は、家族や友人、恋人と触れ合って、グルーミングをしてオキシトシンの分泌を活発にしましょう。
オキシトシンが十分に分泌されていると、脳の疲れを癒し、気分を安定させ、人に対する信頼感が増し、心地よい幸福感をもたらしてくれるのです
2年前のテレビ放送で、医師がアルツハイマー病の対策を述べていましたが、その時の話に、人間は褒められるとドーパーミン(快感物質)やエンドルフィン(幸福感)が得られる脳内物質が脳に放出され、シナプスという脳内伝達物質が生成されるため、ボケ防止につながると言っておられた。
反対に、怒ると脳内にコルチゾン(ストレスによっても放出される)という物質が放出され、シナプスが死滅していくとのことでした。
確かに私たちの体は、褒めあったり、助け合ったりすることで良い効果が得られ、怒ったり、グチを言ったりすることは、脳の機能を阻害し、体の老化を早めることになるというのです。
この人体の摂理を早く知るべきです。そして、その摂理である仏神による人間の設計図を知るべきだと申し上げているのです。
---owari---
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