このゆびと~まれ!

「日々の暮らしの中から感動や発見を伝えたい」

自己保存の愚

2016年12月17日 | 人生

悲しみを知らない人は、自分自身のことを考える。

自分自身の悲しみを考える。

しかし、自分自身の悲しみをいかほど考えたとて、

それで世の中がよくなるということはないのだ。

 

世の中をよくしてゆくためには、

世の人びとの心に刺さったとげを抜け。

世の人びとの心に刺さった毒針を抜け。

そうした心を持たねばならない。

 

ゆめゆめ他の人びとを傷つける心を持ってはならない。

ゆめゆめ他の人びとを害する心を持ってはならない。

そのような心であってはならない。

 

自分一人のみよかれと思う自己保存の心は、

これまた愚かなる人の特徴である。

 

自分を生かさんとして、自分のみを生かさんとして、

営々と努力しているのであるが、

その方向が、仏の心から離れているのである。

 

自分のみを生かさんとすることが、

自分をも殺してしまうということが、わからないのだろうか。

自分のことのみを考えるために、

今世、生を享けたわけではないということが、わからないのであろうか。

 

自分が、今世、生を享けたということは、

その自分自身の生を、

自分自身のためにだけに使ってはならないということなのだ。

 

たぐい希なる慈悲を受け、今世、生を享けたということは、

その感謝で持って、

多くの人びとの心を潤してゆかねばならないということなのだ。

それを知らねばならない。

 

ゆえに、自らのみのことを考えすぎるな。

自ら自身の幸福ばかりを考えすぎるな。

自らを利せんとする心が、

決して他の人を害するものであってはならない。

 

私は、かつてあなたがたに教えたはずである。

自らを利しようとする心は、

自らのみを益し、他の者を害するという心であってはならない。

 

自らを利するという心は、

自らを利するということが、

他の人を利するということにつながる場合においてのみ、許されるのだ。

 

よく、自らを整え、自らの心を整え、自らの魂を磨き、

そして、素晴らしき世界に入ってゆくべきである。

 

自らを磨いたということが、他の人びとを善くし、世の中を善くし、

仏の創られた世界を素晴らしくすることをもって、

よしとせねばならない。

 

この考え方を決して取り違えてはならない。(仏法真理)

 

---owari---

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