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「英BBC、ナチスと中共は同じ」と放送した

2017年07月31日 | 政治・経済

今日は、ロシア経済ジャーナリスト 北野幸伯さんの情報をお伝えします。

北野さんは、「イギリスBBCは、『今の中国は、ナチスドイツと同じだ』と主張している」と報じました。

 

先日亡くなられた劉暁波(りゅうぎょうは)さん。

中国を代表する人権活動家でノーベル平和賞受賞者でした。

08年、中国の民主化を求める「零八憲章」を起草して逮捕された。

罪状は、「国家転覆扇動罪」。10年、ノーベル平和賞受賞。

以後も、ずっと獄中にありました。

 

175月末、「末期の肝臓ガン」と診断された。そして、713日に亡くなりました。

劉さんと彼の考えを支持している人は、山ほどいます

 

しかし、「劉さんの扱いのひどさについて」、たとえば習近平を批判する国家指導者はいません。

皆、中国を恐れているか、チャイナマネーがほしいか、どちらかなのでしょう。


私たちは、「中国は共産党の一党独裁国家。全世界が中国を嫌っている」と考えがちです。

しかし、残念ながらその認識は、かなり世界とズレています。

 

たとえば、アメリカでは、「独裁者」といえば、プーチンのことを指します。

中国と違い、ロシアには、(一応)大統領選挙も、議会選挙もあるのですが・・・。

 

安倍さんも、トランプさんも、メイさんも、マクロンさんも、メルケルさんも、

誰も劉さんのことで、習近平を批判していません。

 

しかし、イギリスBBCは、なんと「ナチスドイツ」と今の中共を比較しながら「そっくりだ!」という論を展開しています。

 

BBCニュース、714日、

<劉暁波氏──中国が消せなかった人> 筆者=キャリー・グレイシー中国編集長

を読んでみましょう。

 

▼劉さんに負けた習近平

グレイシーさんは、「中国の指導者たちは、劉さんを恐れている」としています。

<「私は罪となるようなことを何もしていないが、しかし不満はない」。

劉暁波氏は2009年、法廷でこのように表明した。

 

そしてそれから刑務所で過ごした長い8年の間、民主主義への思いを決して撤回しなかった。

中国の指導者たちは、生きる劉氏を恐れたと同じくらい、死してなお、劉氏を恐れている。無理もないことだ。>

 

<死してなお、劉氏を恐れている。>

そうです。

 

なぜ?

まず、グレイシーさんは、中国共産党の現状を書いています。

 

<中国共産党はかつては、信念の政党だった。党のために殉教する覚悟の同志は大勢いた。

しかし権力を握ってから70年近くたった今の中国共産党は、硬直的でシニカルな権力者だ。

 

憲法上の権利を求める人を投獄し、投獄した人たちについて国内で話題にすることさえ禁じ、経済力を対外的に駆使して外国政府に沈黙を強いる。

 

習近平国家主席の下、中国はこうした抑圧を熱心に推進し、成功を収めてきた。>

 

なんか、中国共産党は、今も昔も「変わらず人権を抑圧してきた」と思うのですが・・・。

それでも、グレイシーさんが中国の現状を正しく認識しているのは、喜ばしいことです。

 

習近平は「成功を収めてきた」そうです。

日本では、「習近平はバカだ!」「習近平はこんな失敗した!」といった話が好まれます。

 

しかし、残念ながら、習近平はうまくやっています。

最近の実績をあげれば、

・トランプを懐柔した

・グローバリストたちと和解した

・トランプとプーチンの和解を阻止した

ことなどが挙げられるでしょう。

 

しかし、劉さんについて、グレイシーさんは、

<そのなかにあって、劉暁波氏は例外的な、中国にとっての敗北だった。>

としています。

 

なぜ?

▼現代中国とナチスドイツは同じ

 

<劉氏が2010年のノーベル平和賞を受賞したことから、中国政府にとっての問題は始まった。平和賞受賞によって劉氏はただちに、信念のために投獄された世界的著名人の仲間入りをした。

 

ネルソン・マンデラ氏、アウンサンスーチー氏、カール・フォン・オシエツキー氏といった人たちと、肩を並べるようになったのだ。>

 

劉さんは、ノーベル平和賞を受賞して、「世界の偉人」の仲間入りをしたのですね。

そう考えると、ノーベル平和賞受賞は、意味があったのでしょう。

 

グレイシーさんはここで、劉さんとナチスドイツ時代の偉人オシエツキーさんを比較します。

 

<カール・フォン・オシエツキーを知らない人もいるだろうが、中国政府にとっては特に居心地の悪い比較対象だ。

 

フォン・オシエツキーは1935年、ナチス・ドイツの強制収容所にいながらにしてノーベル平和賞を受賞した平和主義者だった。

 

アドルフ・ヒトラーは、家族が代理人として授賞式に出席するのを許さなかった。>

オシエツキーさんは、獄中でノーベル平和賞を受賞した。

 

ヒトラーは、家族が代理人として授賞式に出るのを許さなかった。

劉さんは、どうでしょう?

<ノーベル平和賞に選ばれた時、劉氏は国家政権転覆扇動の罪で服役中だった。

 

中国政府は、妻が代理として式典に出席することを認めず、それどころか劉霞氏を自宅軟禁にした。 

オスロで開かれた2010年の平和賞授賞式で、劉氏の代わりに壇上に上がったのは、空の椅子だった。 

そしてそれを機に、21世紀の中国と1930年代のドイツが比較されるようになったのだ。>

 

中国政府の劉さんに対する扱いは、ナチスドイツとまったく同じですね。

 

しかし、

21世紀の中国と1930年代のドイツが比較されるようになったのだ。>

というのは、「え?そうなんですか?」という感じです。

 

「今の中国は、20世紀はじめのドイツに似ている」という話はよく聞きます。

 

しかし、「今の中国は、ナチスドイツと似ている」という話はあまり聞きません。

いえ、私たち庶民の間では、そんな話もあるかもしれませんが。

上の人たちがそんな発言をしていること、聞いたことがありません。

 

▼中国人は、劉さんをしらない!?

ところで、ここに驚くべき事実があります。

 

世界的偉人・劉暁波さんのこと、中国人はほとんど知らないのです。

 

<劉氏は国際舞台で中国に恥をかかせたわけだが、本国でその名を知る中国人は少ない。

 

がん治療のため国外に移ることが可能かをめぐり、中国の病院の言い分に外国人医師たちが反論したことも、香港では釈放を求めて徹夜の集会が行われていたことも、

 

中国国内では徹底した検閲体制のために国民はほとんど何も知らされていなかった。

自分たちの国で、ノーベル平和賞受賞者が死につつあったというのに。>

 

おそろしいことですね。

こんな国が、GDPと軍事費で世界2位なのです。

 

<選択的記憶喪失は中国の国家政策だ。

そして劉氏の投獄から死亡に至るまで、政府は彼の記憶を消し去ろうと一生懸命だった。

家族や友人たちがなかなか面会できないように、自宅から約600キロ離れた刑務所に収容した。

 

妻の劉霞さんが置かれた自宅軟禁はあまりにも抑圧的で、彼女は次第に体と健康を害されていった。

ノルウェーに対する中国の懲罰行動は苛烈で、今やノルウェー政府は中国の人権状況や劉氏のノーベル賞について言及を避けるほどだ。>

 

徹底していますね。

 

▼結局、劉さんが勝つ

しかし、グレイシーさんは、「結局勝つのは、劉さんだ」と考えています。

 

<しかし存命中と同様に死してなお、劉氏は消し去られたりしない。>

 

<劉暁波氏の苦しみは終わった。

座る者のいない空の椅子と同様、空になった病床の映像が、これからの中国を怯えさせる。

 

そして中国政府はこれからも、劉氏の後に続く人たちを脅し、迫害し、懲罰を与え続けるだろうが、このノーベル平和賞受賞者の記憶を消し去ることはできない。

 

81年前のナチス・ドイツが、自らの恥を決して消すことができなかったのと同じように。>

 

キャリー・グレイシーさん、立派です。

世界的に影響力のあるBBC

これからも、中国の現状を、正しく伝えていただきたいと思います。

 

ちなみに、オシエツキーさんは、1938年に亡くなりました。

ナチス・ドイツが滅びたのは、その7年後でした。

 

ノーベル平和賞受賞者・アンドレイ・サハロフ博士は、1989年に亡くなりました。

ソ連が崩壊したのは、その2年後です。

 

劉さんは、2017年に亡くなりました。

中国の共産党一党独裁体制は、何年後になくなるのでしょうか???????

 

以上が、北野さんの配信内容でした。

 

 

昨年6月に投稿しました私のブログ「似非平和主義者は日本を滅ぼす!(前編)」に記載しましたが、現在の中国はヒトラーの行動とよく似ているのです。再び、掲載させていただきます。

 

「かつて、第二次世界大戦の前に、ドイツのヒトラーがヴェルサイユ条約の取り決めを一方的に破棄して再軍備と徴兵制の復活を発表した。平和主義を求める世論に縛られているヨーロッパ各国は、このドイツの行動を黙認した。その後、ドイツはラインラント進駐を行い、オーストリアを併合するなど勢力を拡大した。

 

その時もドイツはそこまでしないだろうと高をくくっていたが、勢力拡大の一方のため、イギリスのチャーチル首相はドイツに宣戦布告した。無防備の平和主義の考え方がヒトラーの暴走を助長させたという歴史の教訓を知らなければならない」・・・掲載終わり

 

ヒトラーがヴェルサイユ条約の取り決めを一方的に破棄して再軍備と徴兵制の復活を発表したことは、現在の中国がオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所の国際法に違反するという判決を無視して、「あれは紙くずだ」と言い張り、南シナ海の島々を埋め立てて、軍事基地を作っていることと似ていないでしょうか。今の中国にはヒトラーの影がひそんでいるように思えて仕方がないのです。

 

危ないのは中国なのだ。現在のヒトラーは中国である、という認識がもてない似非平和主義者が日本に多いという現実が、日本を国難にさらしているのです。

 

---owari---

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