(「ソ連邦の崩壊」は沖縄の核がもたらした成果)
以前に述べた、NHKの「沖縄と核」の特集では、「沖縄県の人たちは、沖縄に核が集っているという危機のなかにあったのに、それを知らされていなくてかわいそうだった」というような報道をしていました。
しかし、その結果、どうなったかというと、「ソ連邦が崩壊した」のです。
冷戦のときには、本当に強かったであろう核武装をしたソ連邦に対し、「アメリカと日本」という、当時、両国で世界のGDP(国内総生産)の50パーセント近いシェアを持っていた、世界1位、2位の経済大国が同盟を組んでいました。
そして、キューバにあったソ連のミサイル基地は撤去させられたけれども、沖縄のミサイル基地は撤去されずに残ったままだったので、ソ連は「勝ち目がない」という判断をしたのです。
要するに、「アメリカと日本は、戦わずして勝つことができた」わけです。そこまで報道しなければ、本当ではありません。
もちろん、「沖縄の人は、そんな恐怖のなかを知らずに生きていた」という報道をしても結構でしょう。
しかし、その結果、「冷戦が終わり、アメリカとソ連は“熱い戦争”(核戦争)をせずに済んだ」のです。この成果は、ものすごく大きなものでした。
沖縄の人たちは、そのためにずいぶんな力を発揮して、この国に協力をしてくださったわけで、そのことについては、当然、お礼を言ってもよいとは思います。ただ、それが、戦わずして、あの大帝国(ソ連邦)を降参させた原因なのです。
この冷戦の終結は、その後、例えば、「東西に分かれていたドイツが統一され、東ドイツがなくなった」ことにもつながりました。
ところが、今、ドイツでは、東ドイツ出身のメルケル首相が北朝鮮への武力行使に反対なさっているようです。それを見ると、「分かっているのかな。まだ東ドイツのつもりでいるのではないかな」と、やや心配になるところもあります。
しかし、東ドイツのみならず、ポーランドなど、さまざまな東ヨーロッパの国がEUに集まっていますが、かつてはそれらも西側と冷戦状態になっており、その間、いろいろな粛清が行われていたわけです。
(北朝鮮・中国を「西側」に取り込まなければならない)
ただ、今でもこうしたことが残っているのが、主として東アジアの地域なのです。この冷戦の決着をつけなければいけないときが来ています。これは、まだアメリカの大統領が強くて、日本の力があるうちに、終わらせたほうがよいのです。
今、もう一押し、この北朝鮮問題を上手に解決することができれば、中国を「西側」のほうに誘い込むことも可能でしょう。中国を「西側」のほうに完全に取り込むことができれば、次は、「中国との戦いをせずに済む可能性」が極めて高くなるのです。
ところが、「とにかく、戦争のない状態であればよいのだ」というような考えでいくと、必ず、中途半端な“ズルズルと長引くような感じの平和”になるので、あまりそのようにならないでほしいと思っています。
---owari---
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