このゆびと~まれ!

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集団生活の大切さ

2022年06月09日 | 日本
最近の子どもは小学生の頃から個室を与えられているようです。自立心を育てることが大切だということらしいですね。
でもちっとも自立心なんて育っていない。大学に行かせてもらい、大学院に行かせてもらい、入社式にも親や祖父母についてきてもらい、やっと就職しても親から生活費をもらっているなどというケースもあるようです。

だいたい、親が子どもに対して、「勉強して、いい成績を取ればなんでも買ってあげる」なんて言っているから、自立できないんです。

それに集団生活を知る機会が亡くなっているのも大きな問題でしょう。
ないものねだりになりますが、たとえば海軍兵学校とか陸軍士官学校とかに行って、集団の中で切磋琢磨(せっさたくま)すれば、たちまち自立心がつきます。

そういう意味では、一年間くらいの共同生活を、徴兵の代わりにボランティアでいいからやらせればいいんです。

アメリカのサマースクールがそうです。夏休みに、二週間か三週間、金を出して預けるんです。そうすると野蛮なことをみんなやらされます。
中には徹底しているところもあって、トカゲを捕まえて、それを焼いて食べることまでやらせています。そういう経験を積ませておけば、医学部に入ったはいいが、血を見てぶっ倒れるなんてこともなくなるでしょう。

そこまでやらなくても、たとえば、子どもを年齢差のある友だちといっしょに山に連れていって、子どもたちだけで行動させるのもいいでしょう。そのとき、上級生の子に「おまえが引っ張っていかなければダメだよ」と教えることです。

下級生を五、六人連れていって、山の中でちょっと道に迷ったときとか、急に雨に降られたときとか、そんな中で、みんなを励まして連れて帰ってきた経験をすれば、子どもは一気に成長するものです。

それから、いろいろなスポーツをやらせるのもいいでしょう。最近、昔よりやらせるスポーツが増えていて、いい傾向だと思っているんですが、やっぱり得意だとか不得意だとかありますからね。走りは苦手だけど水泳なら得意だとか、体操は苦手だけどサッカーは得意だとか、何か得意なものが見つけられるでしょう。

それが自信につながり、自立心を養ってくれる。勉強だけじゃ、世界に出ていける人間にはなれません。

(日下公人著書「『日本大出動』トランプなんか怖くない(2016年6月発刊)」から転載)

---owari---
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