私の若い頃には、
まだ、乗り合いバスには、
運転手と車掌(しゃしょう)がいた。
車掌が女性の時には、
まるで、
夫婦でお店を営(いとな)んでいるようで、
ほほえましかった。
無骨(ぶこつ)で無口な中年男の運転手と、
白い歯を出して、
笑顔で切符を切ってくれる、
女の車掌。
彼女のまなざしは、
車中の家族を、
見守っているかのようだった。
いつからだったか、
ワンマン・バスが走り、
車掌もいなくなった。
「効率化」と
「経費削減」は、
当然の時代の流れでもあったのだろう。
今のワンマン運転が、
自動運転になる日も近いのだろう。
でも、夫婦もいなく、
家族もいない社会のようで、
何か哀(かな)しい。
夫婦の愛って、
補完し合うもので、
乗客は他の家族だったのか。
「みんな景色を観ていなさい。
しっかり運転するからね。」
――――――
「効率化」「経費削減」の時代にあっても、愛の存在など、大切なものを忘れてはいけないのです。
夫婦が互いに補完し合い、幸せな家庭を築くためには、「相手の立場で考えること」や「自我を抑えること」、「変化に柔軟に対応すること」などが大切であると思います。
---owari---
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