釈尊の教えに「サビは鉄より入れて、鉄を滅ぼす」というような言葉があります。
サビはもともとは鉄です。最初はきちんと機能する鉄製品であっても、それが雨ざらしになったり、古くなったりすると錆(さび)が出てきます。
刀は赤錆が出てくると切れなくなるので、錆落としをしなければいけません。
それを磨いてサビ落としをしなければ、使い物にならないわけです。
それは包丁も同じです。
そのようにサビは鉄の中から出てきて、そのもの自体を使えなくしていくということです。
では、人間の中から出てくるサビとは何でしょうか。
簡単に言えばこれが、「貪瞋痴(とんじんち)」という心の三毒なのです。
どんなに素晴らしい鋼鉄のような心を一旦は持てたとしても、錆びてしまっては使い物になりません。
身を滅ぼしてしまう心の三毒「貪瞋痴(とんじんち)」とはどういうものでしょうか。
貪(とん)とは、貪欲のことです。
あなたは今の努力、過去の経験や努力、精進に対して、
分不相応に過ぎた欲望を持っていませんか。貪欲なあなたではありませんか。
瞋(じん)とは、怒りのことです。
あなたはすぐカッとなりませんか。
自分の間違いや欠点、失敗を人から指摘されたら、すぐカット怒ったりしませんか。
癡(ち)は愚かであることです。
自分でヘマをたくさんして、苦しみを作っている人たちがそうです。
特に宗教的心理に対して、愚かであることです。
この世の楽しみがすべてだと考えて、快楽にふける、何ら精神的なるものを求めず、
物質的、肉体的なものにだけ喜びを求めるような人は愚かな人です。
「貪瞋痴(とんじんち)」とは、
欲深い心、怒りの心、愚かな心、これを心の三毒と言います。
この心の三毒は、あなたを不幸にする原因です。
先ほどのサビの話やこの毒という言葉、ジワジワ実を蝕(むしば)んでいく感じがありますよね。
気づかないうちにこの 貪瞋痴(とんじんち)の心の三毒に振り回されて、
我を忘れてしまうこともあるかもしれません。
そうして、他の人を知らず知らず害してしまい、人から嫌われてしまうなんてことも。
そんな状態にあるときは天上界にいる天使たちの応援もあまり期待はできません。
ちなみに、地獄に行く原因の7割以上はこの貪瞋痴(とんじんち)にあるとも言われています。
欲深い心、怒りの心、愚かな心、誰だって生きていれば出てくるものです。
むしろ、成功を目指す人ほど何度も対峙(たいじ)するものかもしれません。
この心の三毒、1回サビ落としをしたら、終わりではありません。
出てくるたびに、点検して錆落としをする習慣が明るい未来を歩むコツと言えそうです。
新たなスタートを切る今こそ貪瞋痴(とんじんち)、この3つをしっかり点検し、未来を歩む上でつまずかず、身を滅ぼさないよう錆止めをしていきましょう。
---owari---
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