昨年5月放送「テレビ東京・未来世紀ジパング」より
世界に貢献する医師たちを通して日本医療の"信頼力"を問う番組でした。
日本各地を飛び回り、病院を渡り歩くフリーランスの眼科医・服部匡志医師。
月の半分を日本で働き、残りの半分はその稼ぎを持ってベトナムに向かい、お金のない貧しい人たちを無償で救っていた。
ベトナム政府からも表彰を受け、感謝されるまさにベトナムの"赤ひげ先生"だ。
*フリーランスは、特定の企業や団体、組織に専従しておらず、自らの才覚や技能を提供することにより社会的に独立した個人事業主もしくは個人企業法人である。(by-Wikipedia)
服部医師は依頼されれば、日本全国どこにでも行く、“神の手”持つフリーランスの眼科医だ。
手術の腕を買われ、日本国内を飛び回る。ある患者は、地元の病院を何件も回ったが、失明はまぬがれないとさじを投げられていた。しかし、服部医師の手術により視力を取り戻した。
「服部先生は…神の手です」。ところが服部医師、日本にいるのは1ヶ月のうち半分だという。
残りの2週間は何をしているのか?
①ベトナムで、1万人に光を与える。
ベトナム最南端の町、カマウ。普段は人影まばらなある病院に、この日100人以上の患者が押しかけてきた。みな白内障など眼の病気にかかった人達ばかり。そこにやってきたのは、服部医師だった。実は、残りの2週間は日本で得た報酬を元手に、ベトナムで無償の医療活動を行っているのだ。
満足な設備がない中、持ってきた顕微鏡や内視鏡、メスなどを使い失明寸前の人々に光りを与えていく。しかも、診断や治療はすべて無償、そんなボランティア活動を、12年も続けているという。服部医師が救った患者はこの12年間でおよそ1万人に及ぶ。2007年、ベトナム保健省からその功績をたたえて、人民保健勲章が授与されていた。
一方、医療の行き届かない東南アジアのへき地で人々を救う日本医師団のネットワークもあった。
②へき地医療に取り組む日本人チーム
経済発展著しい東南アジア。都市部では医療も進歩してきているが、中心から離れた地域、特にへき地には、病院がないところも多い。カンボジアの首都プノンペンから車で2時間半もかかるチューンプレイ地区。いまだ高床式住居が点在する農村地帯だ。近代的な医療を受けられる病院はない。そんな村に、日本人のあるグループがやってきた。
その名はNPO法人・ジャパンハート。東南アジアでへき地医療に挑む日本のチームだ。日本人の医師と看護師が、そのたびごとに集まりチームを組んで、東南アジアのへき地にやってきては患者を治療していくという。
今回もチューンプレイ地区に即席の診療所をつくるのだが、その様子は野戦病院さながら。カンボジア国内で調達可能な機器や薬品を使って、次々に患者を治療していた。そして、数日間に渡る治療活動を終えると、また次のへき地に向け移動していくのだ。
③東南アジアに“赤ひげ”が生まれる
フリーの医師として得た報酬でベトナム人を無償で失明から救う服部医師と、ボランティアのチームをつくりカンボジアの辺境で無償治療するジャパンハートは、まさに現代の“赤ひげ”。
しかし、日本人だけが“赤ひげ”ではダメだとジャパンハートの吉岡医師は言う。
現地の医療が発展していくためには、現地の人々によって医療活動が継続していかなければならないからだ。そんな中、服部医師はベトナムで、内視鏡を使いこなす医師を20人以上育成。
一方、ジャパンハートもチーム医療にカンボジア人医師を参加させ医療技術を伝えていた。日本の“赤ひげ”が“現地の赤ひげ”を育成しているのだ。
こういった活動を通して日本の医療への信頼が高まることで、将来様々な医療技術や器材、薬剤の輸出など、医療ビジネスが東南アジアに進出していくときに大きな力となるだろう
今回の放送で、赤ひげ先生である服部先生と吉岡先生に共通したところがあると感じた。
眼科医・服部先生は日本から運び込んだ医薬品をベトナムの病院に運搬している時に、女性のベトナム人運転手が友達の家の近くに来たので、寄っていくと言い出した時に、「こら!」と大声で怒り出した。その理由は、私を待っている多くの患者がいるのだ、個人的なことで遅らせてはならないというものでした。
一方、カンボジアで巡回手術をしている、「ジャパンハート」の吉岡先生は手術中(甲状腺肥大症)、手術器具が足りなくなり、看護師のベトナム人女性に、なぜ、十分に準備していなかったのだと、手術中に怒ったのでした。
どちらも、人を救うことを最善に考えておられる先生の強固な意志を感じました。
生半可な気持では人を救えないということを、身をもって示されたのだと感じました。
人を救う、人を助ける、ということに対して、どれほど真剣であるかを知らされたのでした。
---owari---
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