(貧しさをバネに、「セルフ・ヘルプの精神」を身につけた私)
経済面については、なかなか満足のいかないことが多いだろうと思います。
私も、若いころには、お金がなくて困ったものです。私の家庭は、それほど豊かではなかったのです。
父は、私が生まれたころ、会社を倒産(とうさん)させてしまったため、その後、20年以上も借金を背負(せお)うことになりました。そのため、生活は困窮(こんきゅう)を極(きわ)め、金銭面で、かなり厳(きび)しい“締(し)め上げ”があったことを覚えています。
ただ、私は、そのこと自体が悪だったとは思いません。
世の中には、「自分が貧(まず)しいのは、親が経済的にうまくいかなかったからだ。その証拠(しょうこ)に、よその金持ちの子はやはり金持ちになり、なかには、首相になった者もいるではないか」などと言う人もいるでしょう。確(たし)かに、お金の効(き)き目というものはあります。
私の親は、もちろん、某(ぼう)元首相の母親のように、毎月1500万円もの“小遣い”をくれるような親ではなく、仕送りとして月何万円か送ったことを恩着(おんき)せがましく言うこともある人でした。しかし、私は、貧しいことを親のせいにはせず、あくまでも、「経済的な力をつけていくのは、自分自身の問題である」「親からチャンスを与えてもらえれば、それで十分である」と考えていたのです。
やはり、二十歳(はたち)から先の人生は、自分自身の勉強や努力、才覚でもって世を渡(わた)っていかなければなりません。
そのように、若いころの私は貧しかったのですが、自分では、「セルフ・ヘルプ(自助努力)の精神が身についてよかった」と考えています。貧しさが、努力するための原動力のようになっていったのです。某元首相のように1500万円もの小遣いをもらわなくて、本当によかったと思います。そんなにもらっていたら、働く気力が起きなかったことでしょう。
---owari---
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