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「日々の暮らしの中から感動や発見を伝えたい」

神聖の社と庭園② 京都・竜安寺石庭

2019年09月11日 | 日本
これでもう四度目か五度目になりましょうか。またしても私は、ここ、竜安寺に来ています。これまで西洋人は、貴国の枯山水の庭にあらずもがな(むしろ、ないほうがよい)の哲学を好き放題にぶちまけてきました。

これらの庭は、人が言辞を控えるほど、地(ぢ)を露(あらわ)にしてくるというのに。ここ竜安寺も、いやはや、見せ物と化してしまい、その前で観光客は何とか陶酔せんものと力みかえっている感じです。愚かしい目つきで打ち眺め、やたらカメラを振りまわして、カチャカチャと耐えがたいシャッター音を響かせては、せっかくの神秘も何もあったものではありません。

手前勝手な好みで申せば、同じ枯山水でも、ここより大徳寺のそれのほうが私は好きです。このほうも、観光のためにあらず、瞑想のよすがたることに変わりありませんが。

フランスでは、見物客の呼吸が壁画に取りかえしのつかない損傷をあたえると気づいたことから、ラスコーの有史前洞窟のレプリカを作ることに乗り出しました。あらゆる聖域は、野卑なる視線や饒舌が撒き散らす害毒から守られてしかるべきでありましょう。

機能は人間の変容(へんよう:姿・様子を変えること)にあり。もしこの機能が失われるとなれば、如何(いかが)?

---owari---
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