(「竹の子のように伸びていこう」と強く思う)
人間は同時に二つのことを考えることができないので、否定的な考え方に代わるものとして、その正反対の考え方を、努力して入れていくように工夫(くふう)すべきです。
何か否定的な考え方が出てきたら、「そうは言っても、こういう考え方もあるのではないか」というように、逆の見方をして、それを肯定(こうてい)的で積極的なものの見方に変えていくのです。
「これはピンチだけれども、考えようによってはチャンスかもしれない」「あの人は私のことをとても悪く言い、批判するけれども、言っていることは当たっているで、これは自分の欠点を直すチャンスかもしれないし、もしかしたら、あの人は私を教育しようとしてくれているのかもしれない」というように、考え方や受け止め方を変えてみることが大事です。
そのように、本当は人生の試練と受け取れるようなものであっても、もっと肯定的で積極的なものに考え方を変えていくことはできるのです。考え方の種が肯定的で積極的なものであれば、未来に花咲き、実るものも、必ず、その延長上にあります。
常に、そういう考え方を持つように努力していただきたいのです。
伸びていくものに対しては、やはり抵抗(ていこう)があるものです。周りから批判をされたり、押さえつけようとされたりすることがあります。ある意味で、親の愛情によって引力のように引っ張られる場合もありますし、学校の先生に嫉妬(しっと)されたり、会社の同僚(どうりょう)や先輩(せんぱい)、上司に嫉妬されたりする場合もあります。
しかし、あの竹の子の姿を見てください。竹の子は、場所を選ばずに、いろいろな所から出てきます。床(ゆか)の下から床を突(つ)き破って伸びていくほどの、非常に強い力があります。
竹の子のように、グイグイ伸びていこうとする力を持つことが大事です。「とにかく、伸びていこう。成長していこう」と強く思うことが、未来を拓(ひら)くことにつながっていきます。
その際に、若い人の感受性の強さから来る不幸感覚やダメージなどから、立ち上がる力を持つことが大切です。「自分は人に傷つけられた」「人に悪口を言われて、とても傷ついた」「自分は挫折(ざせつ)したので、もう駄目なのだ。もうエリートではないのだ」などと思い、傷つくことはたくさんあるでしょうが、立ち上がっていただきたいのです。
一晩寝たら、翌日には元気に立ち上がることです。そのように、新しい力を得て、何度でも立ち上げる力、リバウンドする力を持つことが大事なのです。――この章は終りです。
---owari---
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