このゆびと~まれ!

「日々の暮らしの中から感動や発見を伝えたい」

地球上最も礼儀正しい民族

2019年05月16日 | 日本
フランスの青年貴族L・ド・ボーヴォワールは、明治維新の前年、慶応3(1867)年に、世界一周旅行の途中で日本に立ち寄り、横浜から江戸、箱根などを回った。その見聞録「ジャポン1867年」の中に、次のような一節がある。

われわれが馬からおりるとすぐに、二、三人の娘がやさしく愛らしくお茶と飯を小さな碗(わん)に入れて持って来る。老婦人が火鉢(ひばち)と煙草(たばこ)をすすめる。他の小径(こみち)を通ってやって来た日本人の旅人も、われわれと同じように歩みをとめる。

彼らはわれわれに話しかけるが、たいそう愛想のよいことをいっているに相違(そうい)ない。当方としては彼らの美しい国をどんなに愛しているかを伝えられないことが残念であった。・・・・・

それから一同は再び出発し、湾(わん)の奥深(おくぶか)い所に見える遠い村まで下りてゆく。――そこでは、これはどの道を通る場合も同じだが、その住民すべての丁重(ていちょう)さと愛想のよさにどんなに驚(おどろ)かされたか、話すことは難(むずか)しい。

「アナタ、オハイオ」)(ボンジュール、サリュー)、馬をとばして通り過ぎるわれわれを見送って、茶屋の娘たちは笑顔一杯に叫(さけ)んだ。・・・・・

思うに、外国人が田舎(いなか)の住民によってどのように受け入れられ、歓迎(かんげい)され、大事にされるかを見るためには、日本へ来てみなければならない。地球上最も礼儀(れいぎ)正しい民族であることは確かだ。
(L・ド・ボーヴォワール著綾部友治郎訳『ジャポン1867年』有隣新書より)

*伊勢雅臣著書「世界が称賛する『日本人が知らない日本』」より転載

---owari---
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