今日も国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。
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では、本題。
日本は世界一すばらしい国ですし、日本国民は世界一誠実です。
しかし、それ故に、「弱肉強食の世界情勢が全然理解できない」という欠点があります。
平沼騏一郎総理は1939年8月28日、
「欧州の天地は複雑怪奇!」
と絶叫し、辞職しました。
これ、第2次大戦勃発の4日前です。
こんな時期に、日本の総理は、
「欧州で起こっていること、全然理解できないぜ!」
と宣言している。
総理がこんなですから、日本が戦争に勝つのは難しいでしょう。
今は、どうなのでしょうか?
私は、「わかっていない」と思います。
なぜでしょうか?
私は、「戦争観」が問題なのだろうと思います。
世界的には、
・敵国を悪魔化する情報戦
・味方を増やして敵国を孤立させる外交戦
・敵国経済を破壊する経済戦
も「戦争の一環」とされています。
だから、私は日本と韓国の対立も「日韓戦争」とよびます。
そして、2012年11月に中国がロシア、韓国に「反日統一共同戦線創設」を提案した時点で、「日中戦争がはじまった」と書きました。
米中間で起こっていることも間違いなく戦争です。
しかし、日本人は、「戦争というのは、武器を使ってドンパチやること【だけ】」
と考えているので、米中対立を「戦争」と認識できない。
認識できないので、「それほど深刻なことではない」と考えているのです。
それで、アメリカと日本の間に大きなギャップが生まれます。
たとえば、日本政府は、中国と仲良くすることは「めでたいこと」と考えます。
しかし、アメリカ政府は、「日本は我が国の敵である中国に接近している。
これは深刻な裏切り行為だ!」と考える。
日本政府もアメリカ政府も、「認識のギャップ」に気がつかない。
アメリカは、日本に「悪気がない」ことが、全然理解できません。
<日本人が自分たちのしたことについて、まったく自覚がないところは悪い点です。
(中略)
アメリカがハワイを併合したときも、日本はかなり文句を言いました。
アメリカはすごく腹を立てましたが、日本はそれについて無自覚で、
その後、アメリカが日本に報復したくなるとは思いもよりませんでした。
日露戦争で満州や朝鮮への野望を打ち砕かれたロシアは、日本に仕返ししようと待ち構えていました。
(中略)
日本人は何もしないのに被害を受けたと思っています。
しかし私はちょっと違うと思います。>
(日本人が知らない満州国の真実 宮脇淳子)
宮脇先生の本を読むと、日本人は昔から、自国の行動とその結果について、
相手国にどのような影響を与えるかについて、無自覚だったことがわかります。
今も同じですね。
日本は、同盟国アメリカの敵国中国に急接近しています。
日本は、同盟国アメリカとイランを天秤にかけて、
「自国のタンカーを防衛する有志連合に入るのはイヤだ!」
といっています。
これは、同盟国アメリカを蹴っ飛ばしているのです。
それでトランプが、「日米同盟は不平等だ!」というと、
「トランプのわがままがまたはじまった!」といって、アメリカのせいにします。
私は、自虐史観教徒ではありません。
しかし、現在日米関係がギクシャクしているのは、米中戦争がはじまってから、
「日中蜜月時代」を築こうとする日本政府に非があると思います。
これが「裏切り行為」「狡猾な外交に見える」ことが理解できない日本政府。
このまま行って、日本が敗戦国になったら、私たち自身の責任であることを自覚しておく必要があります。
米中戦争は現在、多方面で行われています。
情報戦、
外交戦、
経済戦
詳しく書くと長くなります。
それで、ダイヤモンドオンラインに記事を書かせていただきました。
米中覇権戦争の全体像を知りたい方は、迷わずご一読ください。
https://diamond.jp/articles/-/216037
(●スマホで読めない方は、PCでお読みください。)
---owari---
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