このゆびと~まれ!

「日々の暮らしの中から感動や発見を伝えたい」

最たる愚者

2018年02月27日 | 人生

人びとよ、

次にもまた愚かなる人がいる。

 

この愚かなる人びとは、

他の人びとの関心を身に引き寄せ、

他の人びとを動揺と混乱に陥れることをもって悦びとしている。

 

他の人びとの心に毒をまき、

他の人びとの心に焦りを生じさせ、

他の人びとを誘惑の淵に導き、

他の人びとに妄言し、ささやき、そして、

道に精進しようとする者を迷わす者もいる。

                                                                                      

このような者も愚かなる人びとである。

我が教えを学ぶ者のなかにも、このような者が出てくることがある。

 

自分の悟りが進まないがために、

自分が重用されないがために、

同行の士を巻き添えにしようとする者が後を絶たない。

 

同じく修行の道を歩もうとする他の人の、

その堅実な心を揺さぶろうとし、そして自分の仲間を増やそうとする。

自分と同じく、不平不満を持つ者を増やそうとする者がある。

 

人びとよ、知れ。

このような心は、このような思いは、このような行動は、

すべて地獄に通じるものであるということを。

 

地獄には、数多くの亡者たちが生きている。

地獄の亡者たちは、自ら自身が助かろうとはしない。

自ら助かろうとするのではなく、仲間を増やそうとする。

仲間に引き入れようとする。

 

他の人びとにも同じような苦しみを味わわせ、

他の人びとにも同じような迷いを与え、

他の人びとも同じような欲望の淵に落とすことによって、

自らの苦しみを和らげようとするのだ。

 

しかし言っておくが、このような行為を続けて、

ほんとうに心が安らぐということは決してない。

そのようなことであってはならない。

自らの苦しみを薄めるために、他の人を用いようとするな。

 

他の人を仲間にしようとするな。

他の人に愚痴を言おうとするな。

自らの苦しみは、自らひとりにて足れり。

自らの苦しみは、自ら一人にて対決せよ。

自ら一人にて、自ら自身の問題と対決せよ。

 

それを、他の人と徒党を組み、

共に自己の正当化や合理化に走ってはならない。

ゆめゆめ、そのようなことを、してはならない。

 

およそ、教えにつき、法を学ぶ者であるならば、

自らの正当性のために、教えを曲げたり、

歪曲したり、間違って伝えたり、

あるいは、人びとを誘惑するようなことをしてはならない。

このようなことは、すべて地獄に通じるものであるということを知れ。

 

よって、私は言おう。

愚かなる者の最たるものの一つに、

こうした、道に精進する人びとを迷わす人がいるということを。

 

このような人は、自らが愚かであるということを認識していない。

自らは、愚かであるとは思わない。

自らが正しき者であると思い、賢き者であると思う。

 

そうして、仏の教えをも、自らの小さな知によって、

曲げ、歪曲し、そうして自らの都合のいいように説明しようとする。

 

しかし、このような考えが

いかなる罪を生むものであるかということを、

賢き人たちは、知らねばならない。

 

その底にあるのは欲望である。

その底にあるものは、

法を説く者と同じく、偉い立場に立ちたいという欲望である。

 

しかし、諸人よ、

よく知りなさい。

人には、それぞれ器というものがあるのだ。

人が人を導くには、順序というものがあるのだ。

 

永年の転生輪廻の過程において、

魂優れ、実績優れたる者は、

先を歩く者として、後からついてくる者を導くこととなる

 

しかし、その身拙く、その心拙く、修行十分でない者は、

やはり、今後も引き続き指導を受けねばならないのだ。

こうした立場の違いは、いつの時代にもあるということを知りなさい。

 

よく学ぶためには、よくわきまえることだ。

よく知るためには、謙虚になることだ。

よく悟るためには、よく自分自身を調律することだ。

それが大事であると思う。

 

---owari---

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 己自身を知れ | トップ | 夢を持とう ① »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

人生」カテゴリの最新記事