1850年の時点で住む場所を選ばなくてはならないなら、私が裕福であるならばイギリスに、労働者階級であれば日本に住みたいと思う。
アメリカの歴史家スーザン・B・ハンレーの言葉であるが、今まで引用した欧米人の見聞録を読めば、その理由もよく分かる。
我々の祖先は物質的には豊かではなかったかもしれない。しかし、富はなくとも幸せな共同体をつくる知恵を持っていたのだ。微笑をこめて挨拶をする、元気に愛想よく仕事に取り組む、笑いやユーモアを大切にする、子供に愛情を注ぐ。
そういう簡単なことが幸福な共同体をつくる近道であることを、我々の祖先たちは教えてくれているのである。――この章は終わりです。
*伊勢雅臣著書「世界が称賛する『日本人が知らない日本』」より転載
---owari---
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