今度の車はスズキのクロスビー 4WD MZであります。
排気量は1000ccにインタークーラーターボと、スズキではマイルドハイブリッドと呼んでいる簡易的な電動アシスト付であります。
エンジンは99馬力 トルクが15.3kg で、モーターアシストは3.3馬力に5.1kgであります。
99PSに15.3kgのパワーはNAエンジンだと排気量が1500cc程度に匹敵でして車重が1000キロと軽い車を引っ張るには十分であります。
そこに、馬力としてはお笑い程度の3.3馬力ですがトルクが5.1kgのモーターアシストが加速時に入るので排気量の割に出足は俊足系であります。
で、昨日と今日で東北自動車道を青森県弘前市までの往復と観光等で800キロを走行した感想を書くわけですが、日常の足が軽トラックの自分は大概の車はすこぶる立派に思えるのでそこは少し一般的な感覚と外れているかもしれません。
まずは800キロを走った燃費ですが、常時エアコン使用の高速は全線を法定速度プラス10キロの走行でして、花巻から盛岡までの120キロ区間はメーター読み130キロで走っております。
あれです、車が計算して出してくる燃費は行きも帰りも17キロですが満タン法で計算しても16.8キロでしてほぼ当たっている感じであります。
そんなわけでクロスビーの欠点として挙げられている「航続距離の短さ」も長距離に関してはほぼ及第点である、と私は思います。
いや、たった30リットルの燃料タンクは小さすぎると語られているわけですが仮にリッター15キロまで落とす走り方だとしても450キロ走れるので大概間に合うと思うのであります。
序でに言うと高速道路でリッター15キロまで落とす走りでは常にかなりの速度違反走行なので現実的では無いと思います。
あれです、外観や内装などは好みの話なのでアレなんですが、ハンドリングや足回りなども何を期待するかで違ってくるので私の感覚ってことなんですが、この価格帯の車だと思えばほぼ100点であります。
いやいや、軽トラに慣れているとは申しましても今までにV6 3500から300馬力オーバーまでを20台以上乗り継いでますのでそこそこ車のことは分かったつもりで書いております、なんちゃって。
いや、そもそもが車両価格で230万もしない、どっちかと言えば低価格車な訳でして、それを500万もする車と比較するのはバカな話であります。
そんなわけで、高速道路で出くわす荒れた路面の突き上げやハンドルの乱れ、瞬間的な挙動をさせた場合の収まりなどはこの程度の価格の車としては及第点だと自分は思いました。
で、一番驚くのは軽に毛の生えた程度の車と思っていたのに対し車内の静粛性はかなり優秀でありました。
いや、120キロ巡行ではエンジン音よりもタイヤの音が煩いわけでして、これはメカ音が静かなのでお金が許せば早いうちに交換したいと思った欠点であります。
あれです、ハンドリングを問われ正直に答えればダルイ方ではあります。
しかし、アンダーやオーバーが強く出るという話では無く、無難に回るけれどもクイック感は無い、と言うことであります。
言ってみれば、誰が乗っても破綻しないハンドリングと言えまして、外観の雰囲気等とのマッチングから、良くもこんな汎用な味付けをしたもんだと感心した次第であります。
で、安い車なのでリアブレーキが小径のドラムなんですが、高速で試しにフルブレーキングをした感じでは制動不足は無く、車重1000キロにはこれで十分と思いました。
ついでに言うと、リヤは今時珍しいリジット(安くて簡単な仕掛け)なのでバネ下重量の軽減は走行感覚に大きく影響すると思うのであります。
恐らくスズキの開発の人はそんな事は百も承知で必要十分のドラムブレーキを採用し、走り心地の良さを醸し出したと思うんですが、まっ、いいでしょう。
あれです、風に弱く少しの風でフラつくとの評価もありますが高速の吹流しが真横になびいていてもハンドルが取られる事は無いので「直進性は普通」と自分は思いましたが、まっ、自分は腕が良いのでアレですが、なんちゃって。
さて、色々付いてる運転補助装置の使い心地ですが、ひと世代前のアイサイトよりも優秀だと自分は感じました。
秀逸なのがACCでして、これの追随性は秀逸でありました。
で、今時のACCらしく最高速は130キロに設定できるので速い流れでも不足はありません。
いや、前の車を追いかける能力は各社の各車とも似たようなもんだと思うんですが車間が詰まった時のブレーキングがとても上品なのであります。
まず、車速が落ちていると感知するとアクセルを抜いて軽く減速を開始しつつ、いよいよ近づくとなるとブレーキングでジワーッと減速して車間を保ち、もしも先行車が停まれば自車も停止しますがこれもカックン停車ではありません。
しかし、ジワーッと減速する癖が加速にも現れまして先行車が加速を開始しても設定した車間になるまで自車は慌てないので後続車がイキって迫ってくることが少しありました。
まっ、これは自分でアクセルを踏めば済むことなので大した問題では無いと思います。
で、もう一つ、車線維持機能ってのもかなり使える代物でして、車線を示す白線が途切れない限りは走行している車線からはみ出すことなく進んでくれるのであります。
そんなわけで、帰り道はほぼ全自動運転で帰ってきたんですが危ない場面に遭遇することも無く、大した運転支援装置であると感心した次第でありますが、こんなものに頼って走っていたんではやることが無くて暇で困ります。
と、言うことで、格安の小型車ではありますが走りと乗り心地、そして今流行りの運転支援装置の出来具合はお値段以上だと思いましたが、あくまでも個人の感想なので悪しからずであります、なんちゃって。
いや、私ゃバイクと軽トラの優秀さから鈴菌に取り憑かれたんですが、この車は機能性も含めた総合性能でスズキの最高傑作車だと思いますが、まっ、いいでしょう。