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my diary

相談担当の重要性

2023年02月14日 | 日記
 1999年に発生した桶川ストーカー殺人事件などの不祥事の頻発によって、警察刷新会議が開かれ、それによって警察改革要綱などが定められ、その一つとして警察相談の充実強化が打ち出されたと思うが、それが、いつの間にか全国的に総・警務部門が受け持つようになって、本当にそれによって警察相談が強化されることになったんだろうかと常々疑問に思っていた。
 ところが、今日、テレビのワイドショーを見ていると、例のルフィーの関与する組織的な特殊詐欺・強盗事件などへの対策として、アポ電等の不審な電話があったら#9110番に電話すれば、専門知識豊富な担当者が出て、犯罪被害防止への適切なアドバイスをくれたりとか、場合によっては警察官が直ちに対応してくれると言っていたが、「本当かなあ」と少し疑問に思う。そもそも、総・警務部門というのは、職員の人事とか、給与とか、広報の部門ではないかと思うし、その一部である相談部門に、果たして経験のある職員が配置されているのだろうか。
 例えば、今、問題となっている特殊詐欺事件などの知識が相談担当者にどれだけあるのだろうか。また、統一教会問題でも、犯罪に関するものは警察安全相談にと、やはり#9110番に電話するようにと言っていたと思うが、本当に親身に相談にのってくれるのだろうか。それが、実は専門担当部門への取次電話機能しかなかったとしても、それはそれなりに意味があるかもわからないが、#9110番の相談電話が未だに国民に浸透していないのは、警察改革がフィーチャーされていた時を除いて、年月の経過と共に、警察相談機能が軽視されるに至ってはいないかと疑問を持っている。小泉孝太郎出演のテレビドラマのような警察相談係はむしろいないのではないか、本当のところは、相談担当に窓際族が配置されているのではないかと心配している。
 相談や苦情電話というのは、例えば、アポ電がどの地域にどのような形態でかかってきているかとかは、犯罪防止と事件検挙に直結する重要な情報であるし、ストーカーやDVなどの相談でも、それが端緒で被害者の支援、被害の拡大防止につながることになる。SNSなどでのトラブルへの相談対応なども専門的な知識が必要だし、相談者が話している内容が必ずしも不明確であったとしても、詳しく聞いているうちに犯罪に結びつくかもしれないと気づくことがあるかもしれない。相談者から辛抱強く聞き出す力、犯罪に結びつく可能性があるかどうかを判断出来る能力、担当課へ適切に引き継ぐことなど、相談担当者というのは、ある意味では極めて重要な役割を担っているのではなかろうか。ストーカーでの殺人事件や、家族間の殺人事件でも、警察に相談したことがあるのにと事件後に報道されることも多い。事件専門課は別にあるとしても、端緒になりうる警察への相談電話は、#9110番とされているのであるから、例え、総・警務に所属する警察相談であっても、「防犯」とか、国民の為にという視点を忘れずにいて欲しい。
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