「plan75」という映画を見た。倍賞美津子主演であったが、久しぶりに画面で見たら随分にお年を召しているようにも見受けられたが、それでも老練な演技力はさすがだと思った。映画では、少子高齢化が進む日本で、高齢者のうち希望する者には施設で死亡することが勧められ、職を失い、住むところも無くなることになった主人公は、応募に応じることとなった。しかし、最終的には施設から脱走することになったが、何か現実の世界も、この映画に近づいているかに思えて悲しかった。
江戸幕府の時代、年貢の率が五公五民と言われていたが、現代の我々は、税金と社会保険料で年収の半分近くを負担しているそうだ。これも、高齢化の影響のせいだとか言われている。昭和50年代には、その率は、27%程度であったとのこと。そういえば、私の初任給は6万円くらいだったと思うが、実家にいたこともあって、それでも何とかやっていけたものだった。そして、昭和49年前後は、毎年給料が上がっていって、給料の上昇分の差額だけで、ボーナス分より多かった年もあった。今は、この30年くらい、ほとんど給料も上がらず、これがアベノミクスの成果なんだろうかと疑問に思う。米国の大学に勤める日本人の偉い教授先生が、「高齢者は全員自殺しろ」と言ったとか言わななかったとかと聞くと、「plan75」に似た時代になってきつつあると感じている。