私は彼に「鐵男さん、あなたの周りはにどうして大勢の人が寄ってくるのですか」 と聞いてみた。不器用なそのままのしつもんであるが彼は答えてくれた。
「マージャンがきっかけになっていると思う」 という意外な返事だった。
彼の兄が大学を卒業して郷里で教鞭をとりたいと帰って来た。そこで始まったのがマージャン。彼は雀荘へついて行き、兄貴の後ろでマージャンを覚えた。腕を上げ四人の中の一人となった。更に腕を上げ隣のテーブルからもお呼びが掛かるようになった。彼は牌をちょっと触っただけで牌の種類が分かるようになり、上家、下家、対面の顔色や仕草を見ながら勝負できるようになった。めったに負けなくなった。
雀荘は教師、医者、市職員、行員、局員、社員いろんな人々が集まる場所。顔見知りとなり、彼にしばしば頼みごとや相談が持ち込まれるようになった。
私は、このあたりにポイントがあると思う。
最初の一人の頼みごとを親身になって聞いてやり、よい結果をもたらしたのではないかと思う。
彼は「商売人としての立場と勘を働かせた」という。マージャンでの戦利と無償の世話との見事なバランスをとり、可愛がられながら、便利がられながら、人間関係の輪を波紋のように拡げていったのだと思う。
一方で彼は「マージャンで飯が食えるのではないかと思ったことがる」と述懐している。
商売用の技術を身に付けるため上京した際、腕試しに雀荘に乗り込んだ。ある時、詰め込み(自分に有利な牌が来るように牌を積み上げること)をやってみたら、
「お前さん、そりゃよくないよ」
と軽くあしらわれたのだ。上には上がいることが分かり、マージャンを生業とすることは断念したというエピソードがある。
「マージャンがきっかけになっていると思う」 という意外な返事だった。
彼の兄が大学を卒業して郷里で教鞭をとりたいと帰って来た。そこで始まったのがマージャン。彼は雀荘へついて行き、兄貴の後ろでマージャンを覚えた。腕を上げ四人の中の一人となった。更に腕を上げ隣のテーブルからもお呼びが掛かるようになった。彼は牌をちょっと触っただけで牌の種類が分かるようになり、上家、下家、対面の顔色や仕草を見ながら勝負できるようになった。めったに負けなくなった。
雀荘は教師、医者、市職員、行員、局員、社員いろんな人々が集まる場所。顔見知りとなり、彼にしばしば頼みごとや相談が持ち込まれるようになった。
私は、このあたりにポイントがあると思う。
最初の一人の頼みごとを親身になって聞いてやり、よい結果をもたらしたのではないかと思う。
彼は「商売人としての立場と勘を働かせた」という。マージャンでの戦利と無償の世話との見事なバランスをとり、可愛がられながら、便利がられながら、人間関係の輪を波紋のように拡げていったのだと思う。
一方で彼は「マージャンで飯が食えるのではないかと思ったことがる」と述懐している。
商売用の技術を身に付けるため上京した際、腕試しに雀荘に乗り込んだ。ある時、詰め込み(自分に有利な牌が来るように牌を積み上げること)をやってみたら、
「お前さん、そりゃよくないよ」
と軽くあしらわれたのだ。上には上がいることが分かり、マージャンを生業とすることは断念したというエピソードがある。